NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、太陽系からわずか4光年の距離にあるアルファ・ケンタウリA(Alpha Centauri A)の周囲に、巨大ガス惑星の存在を示す最も強い証拠を捉えました。
これは、太陽に最も近い恒星系におけるこれまでで最も注目すべき系外惑星候補の発見とされます。
以下は、記事「NASA’s Webb Finds New Evidence for Planet Around Closest Solar Twin(NASAのウェッブ望遠鏡が最も近い太陽類似星の周囲に新たな惑星の証拠を発見)」の日本語まとめです。

【宇宙ニュース】ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡、太陽に最も近い恒星系で巨大惑星の証拠を発見!
🌟 アルファ・ケンタウリとは?
- 太陽系から約4.37光年に位置する三重連星系
- 🌞 アルファ・ケンタウリA(太陽に最も似た星/3番目に明るい)
- 🌞 アルファ・ケンタウリB
- 🔴 プロキシマ・ケンタウリ(赤色矮星)
プロキシマにはすでに3つの惑星が発見されていますが、Alpha Centauri AやBの惑星の存在確認は困難でした。
🔭 ウェッブ望遠鏡が捉えた「惑星の証拠」
ウェッブの中間赤外線観測装置(MIRI)が2024年8月に観測したデータから、Alpha Centauri Aの光をマスク(遮光)して撮影した結果、太陽〜地球間の約2倍の距離にある“ぼんやりした光の点”を検出。
この光源はAlpha Centauri A本体よりも1万倍以上暗く、恒星や銀河ではなく惑星である可能性が高いと結論づけられました。
🪐 惑星候補の特徴:
- 質量は土星程度
- 軌道は楕円形で、1〜2天文単位(AU)
- 高温環境だが、温度や年齢は太陽系の巨大惑星に類似
🕵️♂️ その後の観測と謎
- 2025年2月・4月に行われた追加観測では、同様の光源は確認されず
- 研究チームは「消えた惑星の謎」として、数百万通りの軌道シミュレーションを実施
- 結果、約半数のシナリオで「惑星は恒星に接近しすぎてウェッブでは検出できなかった」と説明されています
💬 研究者のコメント
「確認されれば、これはこれまでで最も太陽に似た星の周囲で、最も近距離で直接撮像された惑星になる可能性がある」
— アニケット・サンギ(Caltech大学博士課程)
「この発見が確定すれば、今後の系外惑星研究のマイルストーンとなり、詳細な観測の対象になるだろう」
— チャールズ・ベイクマン(JPL/NASA)
🔮 今後の展望と観測
- ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡(2026〜2027年打ち上げ予定)が、可視光観測でさらなるデータ補完を行う予定
- ウェッブの赤外線観測との相互補完で、惑星の大きさ・反射率・大気組成の解析が可能に
🛰️ ウェッブ宇宙望遠鏡とは?
ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡は、NASA・ESA(欧州宇宙機関)・CSA(カナダ宇宙庁)の国際協力によって運用される最新・最強の宇宙望遠鏡。
宇宙誕生の謎、系外惑星の探査、銀河形成など多岐にわたる研究に貢献しています。
🔗 詳細はこちら
NASA公式ウェッブ望遠鏡紹介ページ:
👉 https://webb.nasa.gov
📝 注目ポイントまとめ:
- アルファ・ケンタウリAに土星サイズの惑星候補発見
- 距離は地球からわずか4光年
- 太陽に最も近い“太陽類似星”の惑星としては史上最接近の可能性
- 今後の観測で確認されれば、系外惑星研究における金字塔となる