まとめ記事:量子コンピューティング株を押し上げる可能性がある2つの米国政府イニシアチブ

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By arigato_team

まとめ記事:量子コンピューティング株を押し上げる可能性がある2つの米国政府イニシアチブ

まとめ記事:量子コンピューティング株を押し上げる可能性がある2つの米国政府イニシアチブ

量子コンピューティング投資の高騰

人工知能(AI)に次ぐ「次の革命」として注目されているのが量子コンピューティング。
D-Wave Quantum、Rigetti Computing、IonQといった企業の株価は過去1年で急騰し、D-WaveとRigettiは1,800%以上、IonQも500%以上の上昇を見せた。
ただし、現時点では売上は小さく、赤字が続いているため、株価は依然として投機的で高いボラティリティを持つ。そうした中、米国政府の取り組みが大きな追い風となる可能性がある。


① DARPA「量子ベンチマーキング・イニシアチブ(QBI)」

米国国防総省の研究機関 DARPA が主導するQBIは、2033年までに「実用規模の量子コンピュータ」が実現可能かを検証することを目的としている。
プロセスは3段階に分かれており、

  • Stage A:実用規模の量子コンピュータのコンセプトを提示(6か月スプリント)
  • Stage B:R&D計画、リスクと対策、必要なプロトタイプを提示
  • Stage C:政府と連携し、設計・運用が可能かを検証

2025年4月に開始されたStage Aでは、RigettiとIonQを含む20社が選定。D-Waveは門外であったが、業界全体の成長が波及効果としてプラスに働くと見られている。Stage Aは10月頃に完了予定。


② 「エネルギー省 量子リーダーシップ法案(2025)」

2025年2月、リチャード・ダービン上院議員(民主党)が提出した法案で、

  • 総額25億ドル(5年間) の研究開発予算を承認可能
  • 他国(特に中国)との協力ルールを整備
  • 資金配分対象の明確化
  • 国家優先課題として量子技術を位置づけ

さらに、シューマー院内総務やトランプ政権の量子支援姿勢により、 bipartisan(二党間)支持を得ている。2024年は成立しなかったが、今回は通過の可能性が高まっている。

この法案が成立すれば、Rigetti、D-Wave、IonQといった企業は資金面・規制面で大きな後押しを受けることになり、投資家心理も一層強気に傾く可能性がある。


投資家への示唆

  • 短期的には高リスク:収益が立っていないため株価は乱高下しやすい。投資比率は抑えめにすべき。
  • 長期的には巨大な可能性:DARPAとDOEの動きにより、量子コンピューティングが「国家戦略技術」として位置づけられることで、10年単位の成長トレンドが形成される。

👉 まとめると、**QBIとDOE法案は、量子コンピューティング株に資金流入を呼び込む「ゲームチェンジャー」**になり得る。ただし、投資はあくまで慎重に、ポートフォリオの一部に留めるのが賢明だ。


参考記事

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