
カリフォルニア、スペースX打ち上げ増加計画を再び拒否 ― それでも米宇宙軍は前進へ
2025年8月14日、カリフォルニア沿岸委員会は スペースXの打ち上げ回数を年間50回から100回へ倍増させる米宇宙軍の計画 を全会一致で否決しました。これはサンタバーバラ郡のヴァンデンバーグ宇宙軍基地を拠点とする発射増加案に対する二度目の拒否です。
⚖️ 委員会の判断理由
- データ不足:野生生物や近隣住民への影響について十分な調査データが提出されなかった。
- 商業活動の性質:宇宙軍は連邦活動で州の許可は不要と主張する一方、委員会は「多くは軍事ではなく商業打ち上げ」であり州の規制対象とすべきと指摘。
- 透明性の欠如:スペースXや宇宙軍が会合に出席せず、質疑にも応じなかったことが不信感を招いた。
副委員長キャロル・ハート氏は「これでは議論のしようがない」と批判し、委員レイモンド・ジャクソン氏も「海岸資源に不可逆的な損害を与える可能性がある」と強調しました。
📝 背景と前回の経緯
- 2024年10月:打ち上げ回数を36回から50回に増やす提案も6対4で否決。
- その際、委員の一部がマスク氏の政治姿勢に言及し、ニューサム州知事はマスク氏を擁護。
- マスク氏は委員会を提訴。
- 今回はマスク氏への言及を避け、純粋にデータ不足を理由に拒否。
🌍 環境団体と住民の反応
- 環境団体サーフライダー財団のジェニファー・サベージ氏は「私たちの声は虚空に響いているようだ」と発言。
- これは、委員会が反対しても 連邦政府の権限(国家安全保障)によって打ち上げ増加は止められないとの認識が広まっているため。
- 実際、宇宙軍は昨年の否決後も打ち上げ増加を進めており、今後は新しい発射施設の建設にも着手予定。
🚀 今後の展望
- 米宇宙軍・スペースX は2025年後半にヴァンデンバーグ基地で第二の発射拠点建設を開始予定。
- 政治的緊張:一部州議員も「科学に基づき環境影響を最小化すべき」と宇宙軍の姿勢を批判。
- 連邦と州の対立:国家安全保障を盾にする連邦政府と、環境保護を訴える州当局の間で摩擦が続く。
✨ 要点
- カリフォルニア州は再び反対したが、
- 宇宙軍とスペースXは前進を継続、打ち上げ数増加と新拠点建設を進める見通し。
- その結果、米国の宇宙開発政策は「環境保護」と「宇宙産業推進」の間で新たな対立局面を迎えています。