
科学者たちが「宇宙最初の分子」を再現 ― 星形成の理解を揺るがす発見
2025年7月24日発表の研究で、科学者たちは 宇宙誕生直後に形成された最初の分子 を実験室で再現することに成功しました。この成果は、初期宇宙での星形成の理解を覆す可能性があると注目されています。
🌌 宇宙最初の分子 ― HeH⁺
- ビッグバン後、宇宙は超高温から冷却し、水素とヘリウムが最初の元素として誕生。
- 数十万年後、電子と結合して分子が形成され始めた。
- 最初にできたとされるのが ヘリウム水素分子イオン(HeH⁺)。
- HeH⁺は水素分子(H₂)形成を助け、のちの星の誕生に不可欠な役割を果たしたとされる。
🔥 星形成における重要性
- 星が自らのエネルギーを生むためには、核融合が必要。
- 融合開始には十分な衝突と加熱が不可欠だが、温度が約10,000℃未満では効率的に進まない。
- HeH⁺は低温下でも反応を継続できるため、初期の星形成を大きく加速させた可能性がある。
🧪 研究の方法と発見
- 研究チームはHeH⁺イオンを−267℃(−449°F)まで冷却し、最大60秒間保存。
- その後、重水素と衝突させ反応の進行を観測。
- 従来理論では「低温になるほど反応確率は下がる」とされていたが、実験では低温でも反応速度は減少しないことが確認された。
- 新しい理論計算でも実験結果と一致し、過去の予測は否定された。
✨ 意義
- 初期宇宙の化学進化を再考:HeH⁺の反応はこれまで考えられていた以上に重要だった。
- 星の誕生モデルの修正:初期の星が予想より早く、効率的に形成された可能性。
- 現代物理学への挑戦:従来の低温反応理論が見直しを迫られる。
この発見は、「宇宙はどのようにして最初の星を生み出したのか」 という根源的な問いに、新たな光を投げかけています。