2I/ボリソフ(2I/Borisov)は、観測史上2例目の恒星間天体であり、彗星として活動が確認された最初の恒星間彗星です。
ボリソフ彗星の特徴
- 2019年8月30日、ロシアのアマチュア天文学者ゲナデイ・ボリソフ氏が発見。
- 「2I」は「2番目の恒星間(interstellar)」、Borisovは発見者名。
- 軌道離心率は約3.36で、非常に双曲線的な軌道を持つ=太陽系外起源で太陽の重力に拘束されず出入りできる。
- 近日点は2019年12月8日に太陽から約2au(天文単位)。
- 飛来速度も極めて速く、太陽から離れつつある際の双曲線過剰速度は約32 km/sに達し、宇宙機よりも速い。
科学的意義と彗星活動
- オウムアムアと異なり、明確な「彗星活動(ガスやダストの噴出)」を示したのが最大の違い。
- 物理的特性は「太陽系の彗星と非常によく似ている」ことが判明。
- 表面やコマ(彗星のまわりのガス/塵雲)に含まれる塵やガスの組成が、太陽系由来の彗星と非常に近いとされる論文が複数。
- ただし、“塵粒子の偏光度”など一部性質に違い・原始性の強さも指摘されている。
基本データ表
項目 | データ |
---|---|
発見日 | 2019年8月30日 |
発見者 | G. Borisov(ロシア・クリミア) |
軌道離心率 | 約3.36(双曲線軌道) |
近日点 | 2019年12月8日(太陽から約2au) |
過剰速度 | 約32km/s(太陽から離れる速度) |
特徴 | 彗星活動、太陽系彗星と類似の組成 |
2I/ボリソフは、太陽系外から本物の彗星が飛来し、ガスを噴出する様を直接観測できた初の事例として、宇宙物質進化・恒星系形成理論に大きな影響を与えました。
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%AA%E3%82%BD%E3%83%95%E5%BD%97%E6%98%9F_(2I/Borisov)
- https://sorae.info/astronomy/20200423-borisov.html
- https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10834_c2019q4
- https://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/13642
- https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/46047
- https://www.kyoto-su.ac.jp/wr-news/20210702_859_comet.html
- https://sorae.info/astronomy/20210705-borisov.html
- https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11231_borisov