
🚀 SpaceX、ルクセンブルクの防衛衛星「NAOS」と7基の相乗り衛星を打ち上げ成功
打ち上げの概要
2025年8月26日、スペースXはカリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地からファルコン9ロケットを打ち上げ、ルクセンブルクの防衛衛星「NAOS(National Advanced Optical System)」と複数の相乗り衛星を軌道へ送り込みました。
打ち上げは午前11時53分(現地時間)に実施され、ロケット第1段ブースター B1063 は27回目の飛行を終え、約8分後にランディングゾーン4へ帰還。これでスペースXのブースター着陸は累計493回に達しました。
ルクセンブルクのNAOS衛星
今回の主役である「NAOS(別名 LUXEOSys)」は、OHBイタリアが製造した地球観測衛星です。特徴は以下の通り:
- 高度450 kmの低軌道で地球を1日15周
- 1日最大100枚の高解像度画像を撮影可能
- パンクロマチックおよびマルチスペクトルカメラを搭載
- 運用期間は7年(最大10年まで延長可能)
- 画像リクエストから配信までの応答時間は最短17時間
当初はArianespaceのVega-Cロケットで打ち上げ予定でしたが、2022年のVV22ミッション失敗を受け、信頼性の高いSpaceXのFalcon 9に切り替えられました。
相乗りした各国の衛星
NAOSに加え、今回の打ち上げでは多様な国と企業の衛星が搭載されました:
- Planet社(米):Pelican-3, Pelican-4(高分解能・低遅延の地球観測衛星、AI分析向けGPU搭載)
- Dhruva Space(インド):初の商業衛星「LEAP-1」、P-30バス採用
- Exolaunch(独)経由の6基
- Capella Space:合成開口レーダー衛星 Acadia-6
- Pixxel:地球観測衛星 Firefly(FFLY-1, 2, 3)
- 非公開の米商業顧客:2基(打ち上げ配信では非言及)
Exolaunchは「今回の相乗りは、既存のTransporterミッションを超えて顧客に迅速で信頼できる打ち上げ機会を提供する」とコメントしました。
意義と展望
今回のミッションは単なる防衛衛星打ち上げにとどまらず、
- 欧州の防衛力強化(ルクセンブルクの戦略資産確保)
- 新興国(インド)の商業宇宙参入
- 地球観測とAI解析の進展(Planet・Pixxelなど)
を象徴する国際的プロジェクトとなりました。
スペースXにとっても、相乗り市場の拡大と打ち上げ頻度の高さを示す成果であり、商業衛星ビジネスの加速に寄与しています。
📌 まとめポイント
- Falcon 9の37回目の打ち上げ(2025年、ヴァンデンバーグから)
- ルクセンブルクの地球観測衛星 NAOS が主役
- Planet、Dhruva Space、Capella、Pixxel など国際的に多彩な相乗り衛星
- ブースターB1063は27回目の再使用・着陸に成功