🪐 概要:M87銀河のブラックホール・ジェットをJWSTが史上最も鮮明に撮影

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By arigato_team

以下は、記事「JWST captures clearest-ever image of M87 galaxy’s supermassive black hole jet」のまとめです。

🪐 概要:M87銀河のブラックホール・ジェットをJWSTが史上最も鮮明に撮影
写真は参考記事より

🪐 概要:M87銀河のブラックホール・ジェットをJWSTが史上最も鮮明に撮影

NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、巨大楕円銀河M87の中心にある超大質量ブラックホール M87*から噴出するジェットの、これまでで最も鮮明な赤外線画像を撮影しました。
この観測は、ブラックホールがどのようにエネルギーを放出し、銀河の進化に影響を与えるかを解明する手がかりになります。


🔭 主な発見ポイント

1. 鮮明な赤外線画像とジェット構造

  • JWSTの**NIRCam(近赤外線カメラ)**で、4つの赤外線バンドを用いて撮影。
  • ジェットは数千光年にわたり伸び、ピンク色のリボン状構造として描かれています。
  • 光る「結び目(knots)」が多数見られ、これは荷電粒子が光速近くまで加速される領域を示しています。

2. 初めて赤外線で捕捉された“反対方向のジェット(カウンタージェット)”

  • ブラックホールから約6,000光年離れた場所に、反対方向に伸びる淡いカウンタージェットを確認。
  • 通常は地球から遠ざかっているため非常に暗く見えますが、JWSTの高感度で初めて明瞭に観測されました。

3. 詳細構造と粒子加速のメカニズム

  • ジェットの内部にはらせん状(ヘリカル)構造があり、「HST-1」と呼ばれる領域では2つのサブ構造が確認されました。
  • これは衝撃波複雑な粒子運動の証拠と考えられています。
  • 放射はシンクロトロン放射(磁場中で荷電粒子が螺旋運動して出す光)であり、色の変化から粒子の加速と冷却の過程が追跡可能に。

🌌 M87とブラックホール M87* の背景

  • 距離:地球から約5,500万光年
  • 発見者:18世紀にシャルル・メシエが初めて記録。
  • ブラックホール M87*:2019年に史上初めて直接撮影されたブラックホールとして有名。
  • その中心エンジンは銀河スケールのジェットを放ち、宇宙で最も極端な物理現象の研究対象となっています。

🧩 科学的意義

  • M87のようなジェットは、超高エネルギー宇宙線の生成現場として重要。
  • ブラックホールが銀河の星形成や物質分布に与える影響を理解するうえで欠かせない観測。
  • JWSTはこれにより、宇宙最強クラスのエネルギー放出現象の内部構造をこれまでにない精度で解明。

📰 まとめ

項目内容
銀河名M87(おとめ座銀河団の巨大楕円銀河)
中心ブラックホールM87*(2019年に初撮影)
望遠鏡JWST(NIRCam使用)
主な成果史上最も詳細な赤外線画像、カウンタージェットの初検出
意義ジェット形成・加速・冷却の物理メカニズム解明

参考記事

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