🌍 国際宇宙ステーション(ISS)の終幕:2030年に太平洋へ

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By tacos14

以下は、Space.com 掲載記事「NASA will say goodbye to the International Space Station in 2030 – and welcome in the age of commercial space stations」(John M. Horack 著)のまとめです。

🌍 国際宇宙ステーション(ISS)の終幕:2030年に太平洋へ

🌍 国際宇宙ステーション(ISS)の終幕:2030年に太平洋へ

NASA は国際宇宙ステーション(ISS)を 2030年に大気圏再突入させ、太平洋の人里離れた海域に落下 させる計画を発表しました。
ISS は 2000 年 11 月以来、24 時間 365 日、人類の連続的な宇宙滞在を実現しており、2025 年には 25 年の節目を迎えます。


🚀 ISS がもたらした25年の成果

1998年に最初のモジュールが打ち上げられて以来、ISS は以下のような幅広い分野で重要な研究成果を残してきました:

  • 材料科学、バイオテクノロジー、天文学、地球科学、燃焼実験など
  • 4000件以上の実験 と 4400本以上の論文 が発表
  • 成果例:
    • 雷や放電現象の理解
    • がん治療薬の結晶化プロセス改良
    • 人工網膜の宇宙生成
    • 超高純度光ファイバーの生成法研究
    • 宇宙でのDNAシーケンシング実験成功

これらは地球上での科学発展や将来の宇宙探査の基礎を築きました。


🛰️ 次の時代:商業宇宙ステーションの幕開け

ISS の退役後も、NASA は低軌道上での活動を維持する方針です。
2021年12月、NASA は 民間企業による商業宇宙ステーション開発支援として4億ドル以上を投資 しました。

その狙い

  • ISS の後継となる 民間所有・商業運営の宇宙ステーションを複数開発
  • NASA が研究・滞在ミッションを「商業サービス」として購入する仕組みに転換
    (これは既に SpaceX のドラゴン、Boeing のスターライナーで実績あり)

今後の計画

  • 2025年9月:Phase 2 パートナーシップ案募集
    • 各社は4人乗りステーションで30日間運用するデモを実施予定
    • NASA が設計・安全性を正式認定し、商業運用へ移行する見込み

どの企業が成功するか、具体的なタイムラインは今後に注目です。


🇨🇳 中国「天宮(Tiangong)」との比較

ISS が退役すると、継続的に有人運用される唯一の宇宙ステーションは中国の 天宮(Tiangong) となります。
天宮は現在、約402kmの軌道上で3人の宇宙飛行士が常駐し、既に4年以上の連続有人運用 を継続中です。


🌌 最後に ― 空を見上げて

ISS が地球を周回するのは時速約28,000km。夜空で最も明るい点の一つとして肉眼でも観測できます。
2030年までの数年間、人類の協力と技術の結晶を目に焼き付ける最後のチャンス です。

「私たちの祖先は、夜空に輝く光が人間の手で作られたものだとは想像もしなかっただろう。」


🔭 要約ポイント

項目内容
ISS終了時期2030年(太平洋に落下)
運用年数約32年(1998〜2030)
研究成果4000件以上の実験・4400本以上の論文
後継商業宇宙ステーション(民間運営)
中国の動向「天宮」が継続的有人ステーションとして運用中

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