
🌟 NASAウェッブ宇宙望遠鏡、超新星の“元の星”を特定
2025年6月29日、地球に届いた強烈な光。
それは約4,000万年前に爆発した恒星の最後の輝きでした。
この超新星「2025pht」の正体を追う中で、
NASAの James Webb Space Telescope(JWST) が
爆発前の“元の星”を特定することに成功しました。
これは、ウェッブが超新星の前身星(progenitor)を直接確認した初の事例です。
🌌 舞台は渦巻銀河 NGC 1637
爆発が起きたのは約3,800万光年先の渦巻銀河
NGC 1637。
研究チームは、
- ウェッブの赤外線データ(2024年)
- Hubble Space Telescope の可視光データ(2024年・2025年)
を精密に重ね合わせました。
その結果:
- 爆発前 → ウェッブにのみ赤い星が見える
- 爆発後 → ハッブルで青白い超新星が確認される
という決定的証拠が得られました。
🔴 正体は“極端に赤い赤色超巨星”
爆発前の星は:
- 赤色超巨星
- 非常に大量のダスト(宇宙塵)に覆われていた
- これまで観測された中で最も“赤くてダストに包まれた”タイプ
通常、超新星になる大質量星は明るく見えるはずですが、
この星はダストが光を遮っていたため可視光ではほぼ見えませんでした。
🧩 「消えた赤色超巨星問題」への手がかり
天文学には長年の謎があります:
なぜ最も重い赤色超巨星が、
爆発前の画像でほとんど見つからないのか?
理論では:
- 質量が大きい星ほど明るい
- だから事前に見つけやすいはず
しかし現実は違いました。
今回の発見は、
- 重い星ほど大量のダストに覆われ
- 光が減衰して見えなくなる
という仮説を強く支持します。
💨 炭素リッチな“ダストのげっぷ”
さらに驚きだったのはダストの成分です。
通常予想されるのは:
- ケイ酸塩(シリケート)中心のダスト
しかしモデル解析の結果、
- 炭素に富むダスト
である可能性が高いと判明。
研究チームは、
爆発直前に星内部から炭素が噴き出した可能性
を示唆しています。
まるで寿命の終わりに
“ダストのげっぷ(burps)”を放出していたかのようです。
🔭 なぜウェッブが決定的だったのか?
ウェッブは赤外線観測が得意です。
- ダストに隠れた天体を透視できる
- 中間赤外線(MIRI)でダスト成分を分析可能
ハッブルでは見えなかった星を、
ウェッブははっきり捉えていました。
🚀 今後の展望
将来的には、
Nancy Grace Roman Space Telescope
が、
- 赤外線で多数の赤色超巨星を監視
- 爆発前の変動やダスト放出を観測
することで、同様のケースをさらに発見できると期待されています。
🌟 まとめ
今回の発見は:
✔ ウェッブ初の超新星前身星の直接検出
✔ ダストに隠れた巨大星の存在を証明
✔ 「消えた赤色超巨星問題」に重要な手がかり
✔ 炭素リッチなダストの新証拠
超新星は突然現れるわけではありません。
その背後には、静かに赤く輝く最期の準備期間が存在していました。
ウェッブは今、
宇宙の“死の瞬間”だけでなく、
その直前の呼吸までも記録し始めています。