
🚀 宇宙の“速度制限”を破る古代ブラックホールを発見
宇宙誕生からわずか約15%の時代に、
常識を覆すブラックホールが存在していたことが明らかになりました。
その名は ID830。
この古代クエーサーは、
- ブラックホール成長の「宇宙的速度制限」を突破
- X線と電波ジェットを同時に放射
- 既存理論では両立しない現象を示す
という“ルール破り”の存在です。
研究成果は The Astrophysical Journal に掲載されました。
🌌 ID830とは?
ID830は極めて明るいクエーサー(活動銀河核)。
- 約120億年前の宇宙
- 質量:約4億4千万太陽質量
- 天の川中心の
Sagittarius A*
の100倍以上
という超巨大ブラックホール(SMBH)です。
⚡ 破ったルール① エディントン限界
ブラックホールには「食べ過ぎ防止機構」があります。
それが エディントン限界(Eddington limit)。
- ガスが落下 → 放射圧が外向きに働く
- 放射圧が強すぎると流入が止まる
- 成長速度に理論的上限がある
ところがID830は、
エディントン限界の約13倍の速度で物質を吸い込んでいる
と推定されました。
これは「超エディントン降着」と呼ばれる状態です。
🌋 なぜ可能なのか?
研究チームの仮説:
- 巨大なガス雲
- あるいは巨大星を破壊・飲み込んだ
ことによる急激なガス流入。
ただしこの状態は短命で、
- 持続期間:約300年程度(宇宙規模では瞬間)
と推定されています。
📡 破ったルール② X線と電波ジェットの同時発生
通常、
- 超エディントン降着 → ジェット抑制
- 強いジェット → X線抑制
と考えられていました。
しかしID830は:
✔ 強力な電波ジェット
✔ 強烈なX線放射
✔ さらに明るい紫外線放射
を同時に示しています。
🔥 コロナの存在
X線の源は「コロナ」と呼ばれる構造。
- 降着円盤の上空に形成
- 強磁場によって加速された粒子雲
- 温度は10億度規模
- 光速近くで周回
NASAはこれを
宇宙で最も極端な物理環境の1つ
と表現しています。
🧬 初期宇宙ブラックホール問題
初期宇宙では、
- すでに巨大なSMBHが多数存在
- 理論成長モデルでは説明困難
とされています。
仮に最初の「種ブラックホール」が
- 1,000太陽質量
あったとしても、
- 6億5千万年以上
- 常にエディントン限界で成長
しなければ説明できません。
ID830のような超エディントン成長は、
「どうやって初期宇宙で巨大化したのか?」
という長年の謎への重要なヒントになります。
🌠 銀河進化への影響
超巨大ブラックホールは、
- ジェット
- 放射
- 高エネルギー風
で周囲のガスを加熱・吹き飛ばします。
その結果:
- 星形成を抑制
- 銀河の成長を制御
する可能性があります。
つまりID830は、
銀河より先に巨大化したブラックホールの実例
かもしれません。
🧠 まとめ
ID830は:
✔ エディントン限界の13倍で成長
✔ 強力なジェットとX線を同時放射
✔ 初期宇宙ブラックホール成長問題に新視点
✔ 銀河形成理論を揺るがす存在
このブラックホールは、
単なる“巨大”ではありません。
それは、
宇宙初期の進化シナリオを書き換える可能性を持つ存在です。