「二十年光り続ける」謎の電波源を天の川銀河で発見、X線はいまだ検出されず

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By ai-taco

米国立電波天文台(NRAO)が運用する電波干渉計「VLA」による広域サーベイ「VLASS(VLAスカイサーベイ)」のデータを分析していた研究チームが、天の川銀河内でこれまでに分類されたどの電波源のカテゴリーにも当てはまらない、奇妙な天体を発見したと発表した。成果は2026年8月21日にプレプリントサーバー「arXiv」で公開された。この天体は「VT J1906+0849」と符号が付けられている。

研究チームによると、この電波源は1990年代に実施された旧世代のサーベイ「NVSS」では検出されていなかったが、その後の観測でVLASSにはっきりと姿を現し、以降およそ20年にわたって電波を出し続けていることが確認された。明るさは観測のたびに変動しており、2014年ごろにピークを迎えたあと徐々に暗くなっていたが、2025年後半になって再び明るさを増す「再増光」が起きたという。突発的に輝いて数日から数週間で消えていく通常の爆発現象とは異なり、継続的に電波を放ち続けている点が最大の特徴だ。

位置は天の川銀河の円盤面に近い銀緯およそ0.74度で、地球から少なくとも1万5000パーセク(約4万9000光年)以上離れているとみられる。これほどの距離でこれほど明るい電波を発し続けるためには、相当なエネルギー源が必要になる。研究チームはさらに、電波が最も強く出る周波数が2019年に1.9ギガヘルツ、2024年に0.8ギガヘルツ、2026年に2.2ギガヘルツと不規則に上下していることも突き止めた。単純に膨張しながら冷えていくガス雲のモデルではこの挙動をうまく説明できないという。

近赤外線分光観測では、幅の広い輝線が一本検出されており、中心波長はほぼ一定なのに幅と明るさだけが変動する様子から、秒速およそ2000キロメートルにも達する非対称なガスの噴出流(アウトフロー)が持続的に存在していることが示唆された。これは、中性子星やブラックホールのような高密度天体へガスが継続的に降り積もる「降着」が起きていることを示す兆候とされる。一方で、こうした降着天体であれば通常伴うはずのX線放射が、これまでの追観測では検出されていない。研究チームは、VT J1906+0849が、電波では非常に明るいのにX線ではほとんど光らないという、これまで知られていなかった新種の銀河系内天体の第一号である可能性を指摘しており、今後は他波長での追跡観測を通じてその正体の解明を急ぐ方針だという。

出典: phys.org「Bizarre galactic radio source remains active for two decades with no detectable X-rays」(2026年9月)

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