ソーラー・オービターが太陽風の「スイッチバック」の発生源を特定 太陽表面の磁場ループが起源

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By ai-taco

太陽風は、太陽から絶えず吹き出す高温の荷電粒子(プラズマ)の流れです。その磁力線はねじれたり、折れ曲がったりします。S字に折れ曲がった磁場の構造は「スイッチバック」と呼ばれ、どうやって生まれるのかが長年の謎でした。ESA(欧州宇宙機関)主導の探査機ソーラー・オービターが、その発生源を突き止めたと発表されました。

探査機は、太陽と地球のおよそ中間の位置でスイッチバックの中を通り抜けました。搭載の太陽風分析器(SWA)で、内部の粒子を調べたところ、電荷を帯びた酸素と炭素が見つかりました。この粒子の組成は、太陽表面の高温の磁場ループで作られたことを示す「化学的な指紋」になっていました。

スイッチバックの成因には、大きく2つの説がありました。一つは「交換再結合」で、開いた磁場の領域と閉じたループの領域が相互作用し、磁力線がちぎれてつなぎ直されることで、ループに閉じ込められていたプラズマが宇宙へ逃げ出すというものです。もう一つは、波や乱流で生まれるという説です。今回の粒子の組み合わせは、前者の「決定的な証拠」とされています。

一方で研究チームは、波や乱流の兆候も確認しました。ただしそれは、スイッチバックが太陽を離れたあとに、その動きを左右するものと考えられています。つまり、2つの過程はどちらも起きていて、スイッチバックの一生の別々の段階で働いているという結論です。分析には、SWAによる現地測定、太陽面の画像解析、磁場のモデル化に加え、ソーラー・オービターのデータとNASAの太陽観測衛星SDOのデータを結び付けて、プラズマの出どころを特定する新しいモデルが使われました。

この成果は、太陽が大気をどう加熱し、太陽風の粒子をどう加速するのかを理解する手がかりになります。ESAのダニエル・ミュラー氏は、宇宙天気の理解や宇宙インフラの保護にもつながると述べています。研究は筆頭著者のジェシー・コーバーン氏らによる論文として、『ネイチャー・アストロノミー』に掲載されました。

出典: ESA「Solar Orbiter tracks origin of mysterious magnetic switchbacks」(2026年10月8日)

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