
まとめ記事:NASA衛星が捉えたアラスカの新島誕生 ― 氷河後退が生んだ地形変化
NASAの衛星画像によると、アラスカ南東部のアルセック湖(Alsek Lake)に新しい島が誕生したことが確認されました。長年の氷河後退によって山塊「プロウ・ノブ(Prow Knob)」が本土から切り離され、完全に湖に浮かぶ島となったのです。
◆ 島の誕生の経緯
- アルセック氷河(Alsek Glacier)は1984年以来、約5キロ(3マイル)以上後退。
- その過程で広大な氷河湖(氷河湖=プログレイシャル湖)を形成。
- 2025年8月6日に撮影された最新のLandsat 9画像では、プロウ・ノブが完全に水で囲まれ、新島化したことが確認されました。
◆ 氷河後退の影響
- アルセック湖の拡大:
- 1984年:約45平方km(17平方マイル)
- 2025年:約75平方km(29平方マイル)へ拡大
- 付近のハーレクイン湖やグランド・プラトー氷河湖とも連結し、湖水はますます拡大。
- プロウ・ノブの面積は約 5平方km(2平方マイル)。
- 島の形成時期は2025年7月13日~8月6日の間と推定。
◆ 科学者の警告
- 氷河が分断されたことで氷塊崩落(calving)のリスクが増加。
- 氷河の急速な後退は、湖や水系の変化を引き起こし、地域の生態系や水文学に深刻な影響を与える可能性あり。
- 20世紀初頭には「ゲートウェイ・ノブ」に氷河が達していたが、その後1世紀足らずで大きな地形変化が進行。
◆ 象徴するもの
この新島の誕生は、地球温暖化に伴う氷河後退のスピードと、その結果として数十年単位で景観や地形が大きく変化する現実を示しています。NASAの研究者は、今後さらに氷河が後退し湖が拡大することで、アラスカ南東部の環境が根本から変わる可能性を指摘しています。