「Juice探査機、NavCamティーザーで活動中の恒星間彗星 3I/ATLAS を捉える──2本の尾と活発なコマが鮮明に」

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By tacos14

「Juice探査機、NavCamティーザーで活動中の恒星間彗星 3I/ATLAS を捉える──2本の尾と活発なコマが鮮明に」 Grainy space image, with white dots on a dark background. At the centre of the image is a larger, bright white blob with a faint white line stretching towards the top of the frame. CREDIT ESA/Juice/NavCam LICENCE CC BY-SA 3.0 IGO or ESA Standard Licence
Grainy space image, with white dots on a dark background. At the centre of the image is a larger, bright white blob with a faint white line stretching towards the top of the frame.
CREDIT
ESA/Juice/NavCam
LICENCE
CC BY-SA 3.0 IGO or ESA Standard Licence

「Juice探査機、NavCamティーザーで活動中の恒星間彗星 3I/ATLAS を捉える──2本の尾と活発なコマが鮮明に」

欧州宇宙機関(ESA)の木星探査機 JUICE(Jupiter Icy Moons Explorer) が、
2025年11月の観測キャンペーンで恒星間彗星 3I/ATLAS を捉えた。
本来、科学観測用ではない NavCam(航法カメラ) の“ティーザー画像”にも、
彗星の明瞭な活動が写り込み、ESAチームを驚かせたという。


■ NavCamでここまで映るとは──“四分の一だけ”ダウンロードされた画像

JUICE の科学データは 2026年2月到着予定だが、
チームは待ちきれず NavCam画像の1/4だけを先行ダウンロード
そこには、想像以上に鮮明な彗星の姿があった。

NavCam は低解像度で航法用の装置だが、
今回の画像では次の要素がはっきり確認された:

  • 明るく発光するコマ(coma)
  • プラズマテイル:上方向へ伸びる電離ガスの尾
  • ダストテイルの兆候:左下へ伸びる微粒子の尾(淡い)

科学カメラではないにもかかわらず“2本の尾”が識別できる点は大きな驚きだった。


■ 撮影日は 2025年11月2日──最接近の直前、彗星は最も“活動的”

  • 撮影:2025年11月2日
  • 最接近:11月4日(約6,600万 km)

JUICE は火星探査機より彗星から遠かったが、
近日点通過直後で活動が最高潮のタイミングだったため、
ガスや塵の放出が非常に鮮明に写ったと推測される。


■ 本番データは2026年2月に到着予定

今回の NavCam 画像はあくまで“前菜”で、本番は以下の5つの科学機器。

● 観測に使われた5つの科学機器

  • JANUS:高解像度光学カメラ
  • MAJIS:分光撮像
  • UVS:紫外線分光
  • SWI:サブミリ波で組成・温度を分析
  • PEP:粒子・プラズマ観測

これらが取得したデータは
2026年2月18日および20日に地球へ到着予定

● データが遅れる理由

JUICE は現在、
高利得アンテナを太陽熱から本体を守る“日傘”として使用しており、
通信は小型の中利得アンテナで低速送信しているため。


■ 科学的意義:彗星の“最も活動的な瞬間”を JUICE が捉えた

10月に火星軌道機が捉えた画像よりも、
今回の NavCam 画像では彗星の活動レベルが高く、

  • ガス噴出
  • コマの拡大
  • 2本の尾の構造形成

といった変化が明瞭に視認される。

JANUS・MAJIS・UVS などの科学データでは、
この活動がさらに詳細に解析できる
と期待されている。


■ 今後の見どころ

科学データが到着すれば、次が明らかになる:

  • 彗星核の組成
  • ガス成分のスペクトル
  • プラズマの挙動
  • ダストの粒子分布
  • 彗星活動の“ピーク期”の詳細構造

恒星間彗星 3I/ATLAS をこれほど多角的に観測できる例はほとんどなく、
今回の Juice 観測は天文学史上きわめて貴重なデータセットになる可能性が高い。


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