2025年9月、元CDC(米疾病対策センター)局長らがロバート・F・ケネディ・ジュニア(RFK Jr.)の改革を批判しました。しかし調査報道により、彼ら自身が製薬業界やロビー団体と強い関係を持っていた事実が明らかになり、米国の公衆衛生分野における「利益相反問題」が浮き彫りとなっています。
元CDC局長らの業界癒着が浮上 ― RFK Jr.批判の裏に潜む「利益相反」問題
元CDC局長の業界との関係
1. マンディ・コーエン氏
- バイデン政権下でCDC長官代理を務めた後、医療業界に影響力を持つロビーファーム Manatt, Phelps & Phillips の顧問に就任。
- 同社はメディケイド・メディケア関連で複数の医療クライアントを抱えており、業界との「回転ドア」現象の典型例。
2. ウィリアム・ローパー氏
- 1990〜1993年にCDC局長を務めた後、DaVita、Express Scripts、Cigna など大手医療企業の取締役を歴任。
- 数百万ドルを得ながらも、公職や大学時代にはこれらの関与を明示せず、透明性が欠けていた。
3. CDC財団の企業資金依存
- コカ・コーラなどの大企業から数百万ドルを受領。
- 独立した公衆衛生機関としての信頼性が揺らぎ、「企業の影響力が政策に及んでいるのではないか」と批判。
4. 中国関連団体との関与
- ジェフリー・コープラン氏は、中国医療基金会と連携。ロックフェラー財団からの資金提供も受けており、国際的な利益相反問題も浮上。
RFK Jr.批判とその背景
- 2025年8月、RFK Jr.はCDC長官スーザン・モナレズ氏を解任。さらにワクチン諮問委員会の全メンバーを刷新するなど、大胆な改革を進めました。
- これに対し、ワレンスキー氏やローパー氏ら元局長がニューヨーク・タイムズの社説でRFK Jr.を「危険」と非難。
- しかし、その裏で自身の業界との金銭的つながりを公表していなかった点が強い批判を浴びています。
公衆衛生への影響と信頼低下
- HHS(米保健福祉省)は「利益相反と既得権益が国民の信頼を損なった」とコメント。
- 専門家は「CDCと製薬業界の癒着は、政策が国民よりも製薬企業の利益を優先させる」と警告。
まとめ
今回の調査は、元CDC局長らの業界癒着と透明性欠如を明らかにしました。
- RFK Jr.の改革批判は、公衆衛生機関の信頼性をめぐる根本的な問題と直結。
- 今後、国民の信頼を回復するには、利益相反の開示・業界との癒着防止・透明性の徹底が不可欠です。