114年の歴史を誇るIBMが、新たな挑戦に乗り出しました。同社は 2029年までに商用グレードの量子コンピュータを実現 するという大きな目標を掲げ、AI・半導体分野で強みを持つAMDと提携を発表。IBMの量子技術とAMDの高性能CPU・GPUを融合させることで、量子とAIのシナジーを最大化しようとしています。本記事では、両社の戦略、量子コンピュータの可能性、そして市場への影響について解説します。
IBMとAMDが手を組む！量子コンピュータ開発で次のマイルストーンへ
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まとめ記事
114年の歴史を持つIBM、AMDと量子コンピュータで提携へ
背景
1911年創業の老舗テック企業 IBM (NYSE: IBM) は、秤やパンチカード集計機から始まり、FORTRANやハードディスク、PC市場での躍進など数々のマイルストーンを築いてきました。そして今、IBMは次なる大きな挑戦として 商用グレードの量子コンピュータ の開発に乗り出しています。そのために、56年の歴史を持つ AMD (NASDAQ: AMD) と提携することを発表しました。
量子コンピュータとは
- 従来型コンピュータ：0と1のビットで逐次計算
- 量子コンピュータ：0と1を同時に持つ「量子ビット（qubit）」を利用し、複雑な計算を並列で処理
- 期待される応用：
- 新素材や医薬品の開発
- 次世代航空機や自動運転車の設計
- 金融リスクモデルの高度化
- サイバーセキュリティ、AI強化
IBMの目標と戦略
- 2000年代からソフトウェアと量子研究に注力し、2016年には IBM Quantum Experience を公開。
- 現在は 2029年までに商用の耐障害量子コンピュータを実現 することを目標に掲げる。
- 「Starling」スーパーコンピュータシステムによりリアルタイム誤り訂正を可能にし、200論理量子ビットで1億回の論理演算を実行できると計画。
AMDとの提携の意義
- AMDの強み：
- 高性能CPU・GPU（例：Instinct MI350シリーズ）
- エクサスケール突破の「Frontier」スーパーコンピュータに採用実績
- 提携効果：
- IBMの量子技術 × AMDのAIアクセラレータを組み合わせ、量子とAIの融合を加速
- クラウドデータセンターでのAI学習・推論と、量子によるシミュレーションを最適分担
- IBMの耐障害量子コンピュータ開発に貢献
AMD CEOリサ・スー氏は「高性能コンピューティングと量子技術の融合は、発見とイノベーションを加速させる」とコメント。
市場へのインパクト
- McKinseyの試算：
- 2024年：約40億ドル市場
- 2035年：最大720億ドル
- 2040年には約1,980億ドル規模へ成長見込み
- 投資加速と技術革新により、量子市場は10年以内に1,000億ドル規模へ拡大する可能性も。
✅ 要点整理
- IBM：2029年までに商用量子コンピュータ実現を目指す。
- AMD：AI・HPCでの強みを持ち、量子との融合に貢献。
- 提携により「量子×AI」の実用化を加速。
- 市場規模は数十年で数千億ドル規模に拡大する可能性。