
「インド経済は外部逆風の影響を受けるが、国内成長は底堅い ― RBI報告」
発表主体
- Reserve Bank of India(RBI)
- 出典:2025年12月版「State of the Economy Report(月例経済報告)」
- 更新日:2025年12月22日
1. 総論:
外部リスクは存在するが、インド経済の基調は依然として強い
RBIは、
- 世界的な貿易不確実性・政策リスク
- 海外投資家(FPI)の資金流出
といった外部逆風を認めつつも、
👉 国内需要と政策支援を背景に、インド経済は高い回復力を維持している
と評価しています。
2. 成長の現状:GDPは6四半期ぶり高水準
- FY26 Q2(2025年7–9月期)実質GDP成長率:8.2%
- 6四半期ぶりの高水準
- 成長の主因:
- 個人消費(特に都市部)
- 民間固定投資
- サービス業:堅調
- 製造業:やや減速の兆し
RBIはこれを
「世界的な貿易不確実性の中での顕著な回復力」
と表現しています。
3. 金融政策:大幅な利下げが下支え
- 政策金利(レポレート):
- 5.25%
- 2025年2月以降の累計利下げ:
- 125bp(1.25%)
- 金融緩和により:
- 企業収益の改善
- 市場心理の一定の回復
ただし、
- 外国人ポートフォリオ投資(FPI)の流出
- インドルピー安
- 外貨準備への下押し圧力
といった影響は継続。
4. 外部逆風①:メキシコの高関税措置
RBIが新たなリスクとして強調したのが、メキシコの対印関税引き上げ。
- 対象:
- 二輪・三輪車
- 自動車
- 自動車部品
- 関税率:
- 5〜50%
- 発効:
- 2026年1月1日
- 背景:
- インドはメキシコとFTA未締結
- 影響:
- 該当分野で**インド輸出の5〜12%**を占める重要市場
👉 エンジニアリング・自動車輸出に下振れリスク
5. 物価動向:インフレは極めて低水準
- CPI(2025年11月):0.71%
- 前月:0.25%
- 野菜価格上昇が主因
- それでも:
- RBI目標レンジ(2〜4%)を大きく下回る
- 食品インフレは6か月連続でマイナス
名目GDPの特徴
- 名目GDP成長率:
- 8.7%(4四半期ぶり低水準)
- GDPデフレーター:
- 0.5%
👉 成長の大半が「実体経済の拡大」によるもの
- 0.5%
6. 国内需要:高頻度指標は総じて良好
11月のデータでは:
- e-way bill(物流)
- 石油消費
- デジタル決済
→ 回復・拡大基調
GST税収は制度調整で低調だったものの、
- 建設
- 農業
- 都市部消費
は引き続き堅調と評価。
7. RBIの最新見通し(FY26)
| 指標 | 最新予測 | 修正 |
|---|---|---|
| 実質GDP成長率 | 7.3% | +0.5% |
| CPIインフレ率 | 2.0% | ▲0.6% |
8. 総括(RBIのメッセージ)
- 外部環境:
- 不安定(貿易・資本移動・地政学)
- 国内環境:
- 強い消費
- 政策協調(財政・金融・規制)
- 低インフレ
👉 「外部逆風に完全に免疫はないが、インド経済の成長基盤は依然として堅固」
一言でまとめると:
「世界が揺れても、インド経済は内需と政策で走り続けている」