以下は、「JWSTが“存在するはずのない光”を発見──宇宙の始まりにブラックホールが光を放っていた可能性」というニュースのまとめ記事です:
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が観測した“あり得ないほど古い光”が、宇宙の起源に対する定説を揺るがしています。
研究によると、宇宙誕生から100~200万年しか経っていない時期(赤方偏移17〜25)に、青い紫外線の光源が9個も発見されました。
これは、既存の銀河形成モデルでは説明できないほど早い時期に光が存在していたことを意味し、「星ではなくブラックホールが最初の光を放っていた」可能性が浮上しています。
【JWST新発見】宇宙誕生からわずか1億年以内に「謎の光」──星より先にブラックホールが輝いていた?
■ 何が見つかったのか?
- 観測:JWSTの**近赤外線カメラ(NIRCam)**による100時間超の深宇宙撮影
- 発見された光源:9つ(赤方偏移z=17が6つ、z=25が3つ)
- 光の種類:紫外線の青白い輝き(第一世代星が放つとされる光)
■ なぜ「問題」なのか?
従来の宇宙モデルでは:
- 宇宙誕生後100〜200万年では、ガスが高温すぎて星はまだ形成されない
- 星ができるには、暗黒物質の構造形成 → 重力でガスが集まる → 冷却 → 星形成というプロセスが必要
- これには数億年かかると考えられていた
➡ それなのに星のような光”が観測された
■ 新たな仮説:原始ブラックホールが最初の光源だった
- イタリア・ピサのアンドレア・フェラーラ氏らの研究チームは、次のように提案:
- ビッグバンの1秒以内に誕生した超小型の原始ブラックホール
- それがガスを吸い込み、周囲のガスを高温に加熱して光を放った
- 通常の星と似たような光を出すため、見た目では区別が困難
「最初に宇宙を照らしたのは星ではなく、“飢えた”ブラックホールだったかもしれない」
■ 星か?ブラックホールか?その見分け方
- 銀河の大きさに注目:
- 点状=ブラックホールの可能性が高い
- 広がりのある構造=星団や銀河の可能性
研究チームの結果では:
- 30%程度が**“点状光源”**で、原始ブラックホールの可能性がある
- それ以外は星の可能性も否定できない
■ 原始ブラックホールが「宇宙初期の謎」も説明する?
- JWSTで観測された「初期にしては大きすぎる銀河やブラックホール」の謎
- 宇宙マイクロ波背景放射(CMB)にも痕跡があるはずだが、現在の観測では判別が困難
「最初の超大質量ブラックホールの“種”をどう説明するか。原始ブラックホール説は有力な仮説」
──カンザス大学 アリソン・カークパトリック博士
■ 今後の見通しと課題
- 現時点ではまだ「仮説」の段階
- 観測された光源が本当に“赤方偏移25”にあるかは分光観測による確認が必要
- 低赤方偏移の“紛れ込み”や誤認の可能性もあるため慎重な検証が必要
■ まとめ:宇宙最初の“光の正体”は、これから解明される
- 「光=星」という常識に挑戦する今回の研究
- もし原始ブラックホールが正しければ、宇宙誕生直後の姿に関する理解が根本から塗り替えられるかもしれません