【宇宙からの迎撃へ】ロッキード・マーティン、2028年の宇宙配備型ミサイル迎撃実証を計画

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By arigato_team


米ロッキード・マーティンは、「ゴールデンドーム・フォー・アメリカ(Golden Dome for America)」構想の一環として、2028年に宇宙配備型ミサイル迎撃システムの軌道実証を実施する計画を発表しました。
これはトランプ政権下で推進されている米本土防衛を目的とした包括的ミサイル防衛構想の一部です。

以下は、2025年8月4日付けのLockheed Martinによる宇宙ベース迎撃ミサイルの開発に関する記事をまとめたものです。

【宇宙からの迎撃へ】ロッキード・マーティン、2028年の宇宙配備型ミサイル迎撃実証を計画

【宇宙からの迎撃へ】ロッキード・マーティン、2028年の宇宙配備型ミサイル迎撃実証を計画

◆ ゴールデンドーム構想とは?

  • トランプ大統領が指示した米本土向けの次世代ミサイル防衛構想
  • 地上・海上に加え、宇宙空間からの迎撃を主要要素とする初の取り組み
  • **発射直後(ブースト段階)**での迎撃を目指すことで、より迅速かつ安全な防衛体制を構築

◆ 2028年、宇宙実証を目指す

ロッキードの宇宙ミッション戦略ディレクター、アマンダ・パウンド氏は「2028年の軌道実証に向け準備を進めている」と表明。
ただし、現在は**技術的詳細(キネティック迎撃 or 高出力レーザーなど)**については非公開で、国防総省によるアーキテクチャ(構成案)発表待ちとのことです。


◆ 宇宙配備迎撃のメリット

  • 敵ミサイルを発射直後のブースト段階で撃破できる可能性
  • 全地球的な即時対応が可能(軌道上からの即応)
  • 重力の影響を受けにくいため、小型・高速対応可能
  • ミサイルの弾頭やデコイ(おとり)が分離する前に阻止できるため、迎撃成功率が向上

◆ 既存の防衛資産を基盤に開発

ロッキードは、すでに保有する以下のミサイル防衛資産を、ゴールデンドームの基礎アーキテクチャとして活用可能としています:

  • 早期警戒衛星
  • 地上・海上レーダー
  • 指揮統制システム
  • 地上発射型ミサイル迎撃装置

同社のブライアン・ダン副社長は、「現行の戦術防衛システムを国家規模に拡張する形だ」と述べています。


◆ 前例なき指揮統制の課題

戦略担当のサッド・ベッカート氏は、「この規模・タイムラインでの防衛システムはかつてない挑戦」と述べ、以下の課題を指摘しました:

  • 宇宙、地上、海上のセンサー情報をリアルタイムで統合
  • 最適な迎撃手段を数秒以内に決定・指令
  • 異なる軍種・システム間の完全自動化と連携

そのためロッキードは、ヴァージニア州サフォークにデジタル環境のプロトタイプ施設を設置。複数企業・組織が連携できる共同開発・検証の場として活用しています。


▼ まとめ

  • ロッキード・マーティンは2028年の宇宙配備型迎撃ミサイル実証を計画
  • 「ゴールデンドーム構想」は米本土を宇宙から守る新時代の防衛網
  • 宇宙配備の利点:即時性・重力影響の低減・前段階迎撃
  • 現行資産と新技術の融合による国家規模の防衛体制
  • 指揮統制にはAI・多ドメイン統合の高度な実装が必要

今後のアーキテクチャ公開デモミッション進捗に注目が集まります。国家安全保障の形が、宇宙規模へと進化する一歩となるでしょう。

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