2025年8月6日、NASAは商業用宇宙ステーション開発に関する方針転換を行い、国際宇宙ステーション(ISS)退役後の地球低軌道(LEO)での有人常駐継続に疑問符がつく状況となっています。
以下は、記事「NASA revises plans for commercial space station development」の日本語によるまとめ記事です:
【転換点】NASA、民間宇宙ステーション開発計画を大幅見直し──「常時有人」体制の終焉か?
🛰️ 背景:CLD(商業地球低軌道拠点)計画の段階的展開
NASAは、ISS後継として**民間主導の宇宙ステーション(CLD)**を開発するため、段階的な支援プログラムを進行中:
フェーズ | 内容 | 従来の予定 | 今回の変更点 |
---|---|---|---|
Phase 1 | 初期設計支援 | 実施中 | 継続(資金提供あり) |
Phase 2 | 実運用向け契約 | 2025年度中にRFP発行予定 | 契約方式を変更・縮小に転換 |
🔁 主要な変更点
✅ 固定価格契約 → 「Space Act Agreement(資金付き協定)」へ
- 契約の柔軟性を確保し、将来の**予算不足(最大40億ドルの見込み)**に対応。
- NASAが全権主導するのではなく、民間の設計・デモフライトを支援する形に。
✅ 「常時有人滞在」要件を削除
- 以前は「常にNASA宇宙飛行士2名含む4人が6か月滞在」が求められていた。
- 今後は「4人が1か月滞在可能」な規模で十分とする見解に。
- ISSのような“常駐型”ステーションではなく、“訪問型”に転換される可能性が高い。
✅ 「LEOマイクログラビティ戦略」も拘束力なしに
- 現行政権下で採用された「継続的なLEO有人存在(continuous heartbeat)」方針も、拘束力のない提言に格下げ。
- 今後は「連続能力(continuous capability)」──必要に応じて有人ミッションを行う柔軟体制へ。
🚀 現在の主な関係企業
- Axiom Space:ISSにモジュールを追加し、独立ステーションを目指す。
- Blue Origin:商業ステーション構想あり(Orbital Reef)。
- Voyager Space(Starlab):2025年1月に上場。Starlabの開発を進行中。
Voyager社CEOディラン・テイラー氏は8月5日の決算説明で「Starlabは非常に魅力的な成長市場」と発言し、年内に重要設計審査(CDR)完了予定と述べた。
📉 なぜ方向転換?その背景と狙い
要因 | 内容 |
---|---|
⏳ ISS退役(2030年予定)後の有人滞在の「空白期間」懸念 | |
💰 予算不足(Phase 2実現に最大40億ドル必要との試算) | |
🔧 民間主導による効率的な技術開発への期待 |
NASAメモでは次のように述べられています:
「LEOでの有人能力の空白を避けるためにも、柔軟性の高い形で速やかに開発支援を進めることが重要。」
🧭 今後の展望と懸念
- 新たなSpace Act協定は少なくとも2社に付与される予定。
- NASAが求める機能縮小により、商業運用としての収益性に影響を与える可能性も。
- 民間企業側は「NASAの支援規模縮小による影響を精査中」とのこと。
- 今後60日以内に改訂版Phase 2の提案募集が発表予定。
🔍 まとめ
NASAは、ISS後継としての商業宇宙ステーション戦略を“現実的路線”へと修正。常時有人滞在の維持よりも、「柔軟で持続可能な民間主導の基盤整備」を優先し始めています。
この決断は、宇宙開発の新しい時代の始まりか、有人宇宙活動の縮小への転換点となるか──民間と官のバランスが問われる分岐点に差し掛かっています。