
フロリダ発 ― スペースXが今週打ち上げる「謎の宇宙機」とNASA補給船
フロリダのスペースコーストでは、今週 2つの注目打ち上げ が予定されています。ひとつは秘密任務に挑む米宇宙軍の X-37B宇宙機、もうひとつはNASA向けの 国際宇宙ステーション(ISS)補給ミッション(CRS-33) です。いずれも天候や準備状況に左右されるため、実施日は「最短日程」として公表されています。
🛰️ 宇宙軍の秘密任務 ― X-37B宇宙機
- 打ち上げ予定日:8月21日以降(時間未定)
- 場所:NASAケネディ宇宙センター第39A発射台
- 機体:ボーイング製の再利用型宇宙機 X-37B
- 特徴:2010年初飛行、今回で 8回目のミッション
- 直近の実績:前回は430日以上を周回し、2025年3月にカリフォルニア州ヴァンデンバーグ基地へ帰還
- 累計飛行日数:4,200日超
今回の任務
- 空軍研究所・国防イノベーション部隊向けの実験を搭載
- 新型センサーを試験予定(GPS通信を従来困難だった領域=地球外軌道や月周回でも可能に)
※機密性が高く、詳細は非公開。スペースコーストでのX-37B打ち上げは2023年12月以来となります。
🚚 NASA向け補給便 ― SpaceX CRS-33
- 打ち上げ予定日:8月24日(日)午前2時45分(米東部時間)以降
- 場所:ケープカナベラル宇宙軍基地 第40発射台
- 機体:スペースX「ドラゴン」補給船+ファルコン9ロケット
- 内容:ISSに向けて物資と科学実験装置を搭載
- 特記事項:ドッキング後、新しい推進システムを用いてISSの軌道高度をわずかに引き上げる実証を実施予定
これでスペースXのISS補給は通算 33回目 となります。
✨ 意義と展望
- X-37B:再利用型軍事宇宙機の能力実証は、将来的な米国の防衛・宇宙戦略に直結。
- CRS-33:ISSの運用寿命延長や安全性向上に寄与するだけでなく、商業宇宙輸送の信頼性強化にもつながります。