ウェッブ望遠鏡、史上最も遠い高速電波バーストの距離を測定 発生源は中性子星の合体ではない可能性

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By ai-taco

高速電波バースト(FRB)は、ほんの数ミリ秒だけ強い電波を放つ謎の閃光で、2007年に初めて見つかりました。多くは一度きりしか観測されず、何が起こすのかはいまだ決着していません。NASAは10月8日、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、これまでで最も遠いFRBまでの距離を測定したと発表しました。

対象は「FRB 20240304B」で、2024年3月4日に南アフリカのMeerKAT電波望遠鏡を使うMeerTRAPチームが検出しました。発生位置は精密に分かっていたものの、地上の最大級の望遠鏡でも、そこに銀河を見つけられませんでした。そこでウェッブの近赤外線分光装置NIRSpecで調べたところ、赤方偏移(宇宙膨張で光が引き伸ばされる度合い)は2.148。バーストは宇宙誕生から約30億年後に放たれたことになります。これまでに見つかっている多くのFRBは、それよりずっと後の時代のものです。

ウェッブ望遠鏡が撮影した無数の銀河が写る視野と、FRBの発生源となった矮小銀河の拡大図
ウェッブが撮影した視野で、右側の四角い拡大図の十字印が、FRB 20240304Bが放たれた位置にある小さな青白い矮小銀河です。 Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, Themiya Nanayakkara (USYD); Image Processing: Joseph DePasquale (STScI)

ウェッブの近赤外線カメラNIRCamは、発生源の銀河をとらえました。星を活発に作っている小さな矮小銀河で、チームが予想した質量の約1000分の1しかありません。多くのFRBの宿主は大質量の星形成銀河なので、これは意外な結果でした。星の大半は約3000万年以内に作られた可能性があるといいます。

この若い宿主は、FRBの起源論に手がかりを与えます。中性子星どうしの合体は数十億年かかるため、古い銀河で起きるはずだと考えられてきました。筆頭著者のシドニー大学のマニシャ・カレブ氏は、合体起源は「非常に考えにくい」としています。一方、超新星爆発のあとに残る若くて強力な磁場を持つ中性子星「マグネター」なら、短時間でFRBを出せるため、今回の宿主とよく合います。

さらにバーストの信号には、道中にある構造の痕跡も刻まれていました。赤方偏移0.3(約35億光年先)にあるこれまで知られていなかった銀河団と、約5400万光年先のおとめ座銀河団です。研究チームは、MeerKATが今後、赤方偏移1を超えるFRBを年に数件見つけられると見込んでいます。成果は科学誌『サイエンス』に掲載されました。遠い宇宙の初期の銀河については、ウェッブ望遠鏡が宇宙誕生から5億年後の銀河を観測した記事もあわせてどうぞ。

出典: NASA「Webb Measures Distance to Farthest Fast Radio Burst, Suggesting Origin」(2026年10月8日)

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