米スペースX(SpaceX)は現地時間2026年9月26日、大型再使用ロケット「スターシップ(Starship)」14回目の試験飛行に向けた最終準備を大詰めまで進めた。テキサス州スターベースの発射台「パッド2」では、1段目「スーパーヘビー」ブースター21号機(B21)と上段機体「シップ」41号機を結合したフルスタック状態での推進剤注入リハーサル(ウェット・ドレス・リハーサル)を9月24日に完了。その後いったん機体を分離したうえで、26日に再び両機体を結合し、打ち上げに向けた最終形態を整えた。米連邦航空局(FAA)も打ち上げに向けた最終承認を出したと伝えられている。
打ち上げ予定は現地時間9月28日午前7時15分(米中部夏時間、日本時間同日午後9時15分)以降で、75分間の打ち上げウィンドウが設定されている。今回のフライトは、スターシップにとって過去13回の試験飛行がいずれも軌道に到達しない弾道飛行にとどまっていた状況から一歩進み、初めて地球周回軌道への到達を目指す節目の挑戦となる。ブースターは打ち上げ後、逆噴射(ボーストバック)燃焼を経てメキシコ湾上の着水地点への着陸を試み、上段のシップは初の軌道投入マヌーバーを実施したうえで、次世代通信衛星群「スターリンクV3」を模した衛星最大26基の展開、単発エンジンによる軌道離脱噴射、そして太平洋への制御された再突入・着水を計画している。
スーパーヘビーは全長72メートル・直径9メートルという巨大な機体で、スペースXがこれまで開発してきた再使用ロケットの中でも最大級だ。9月20日深夜にB21が組み立て施設からパッド2へ移動したのに続き、今回の一連のリハーサルで機体の準備がいよいよ最終段階に入ったことになる。スターシップはこれまでにもスーパーヘビーの発射塔アーム(通称「チョップスティック」)による着地・捕獲を複数回成功させてきたが、上段機体そのものの捕獲はまだ実現しておらず、今回は着水による回収が計画されている。
今回の試験飛行が成功すれば、スターシップは開発開始以来初めて軌道への到達を果たすことになり、将来のアルテミス計画における月着陸や火星探査など、スペースXが描く大型ミッション構想の実現に向けた大きな一歩となる。スペースXは今後、天候やFAAの最終的な飛行計画承認の状況を踏まえながら、打ち上げ時刻を最終確定させる見通しだ。
出典: SpaceX「Starship Flight 14」(2026年9月)