過去最大級の超新星カタログ、標準宇宙論モデルに一致しない「進化するダークエネルギー」を示唆

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By ai-taco

豪クイーンズランド大学の博士課程学生ライアン・カミレリ氏らが主導する国際研究チームが、宇宙の距離測定に使われるIa型超新星2884個分のデータを統合した過去最大級のカタログを構築し、宇宙論の標準モデルに疑問を投げかける結果を発表した。研究には、ダークエネルギー・サーベイ(DES)やファウンデーション超新星サーベイ、パンスターズ1(Pan-STARRS1)、スローン・デジタル・スカイ・サーベイ(SDSS)、超新星レガシーサーベイ(SNLS)、カーネギー超新星プロジェクト、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの超新星サーベイなど、数十年にわたり蓄積されてきた複数の観測プロジェクトのデータが結集された。

研究チームは、過去30年間にわたって別々の手法・機器で取得されてきた観測データを、現代の較正技術を用いて統一的な枠組みに再構築した。この結果、Ia型超新星を用いた宇宙膨張の歴史測定として、これまでで最も精度が高く一貫性のあるデータセットが得られたという。カミレリ氏は、今回の成果が超新星宇宙論における新たな世界的基準になるとしている。

もっとも注目されるのは、標準的な宇宙論モデル(ラムダCDMモデル)が前提とする「ダークエネルギーは時間によらず一定である」という仮定と、今回のデータが整合しなかった点だ。統合されたデータセットからは、ダークエネルギーの強さが宇宙の歴史の中で変化してきた可能性を示す証拠が新たに得られたという。これは、2024年に発表されたダークエネルギー分光装置(DESI)による観測結果が示していた「ダークエネルギーは弱まりつつあるのではないか」とする示唆を、まったく独立した手法・データセットから裏付けるものとなる。

ダークエネルギーは宇宙の加速膨張を引き起こしているとされる正体不明のエネルギーで、現在の宇宙論では宇宙全体のエネルギー密度の大半を占めると考えられている。もしその性質が時間とともに変化しているとすれば、宇宙の起源や将来を記述する基礎理論そのものを見直す必要が出てくる可能性がある。

研究チームは、今回の結果はあくまで統計的な証拠の積み重ねであり、断定的な結論に至るにはさらなる検証が必要だとしている。今後もダークエネルギー・サーベイなど複数の観測プロジェクトのデータを組み合わせた解析を継続し、ダークエネルギーが本当に「進化」しているのかどうかを見極めていく方針だという。

出典: phys.org「Big supernova dataset challenges dark energy theory」(2026年9月8日)

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