太陽の大気(コロナ)に、蝶のような形をした巨大な低密度領域「コロナホール」が出現し、そこから吹き出す高速の太陽風が地球に向けて到達しつつあることが明らかになった。この太陽風の影響で、日本時間9月14日ごろにかけて中規模の地磁気嵐が発生し、通常より低緯度までオーロラが見られる可能性があると宇宙天気の専門家が注意を呼びかけている。
今回確認されたコロナホールは、差し渡しおよそ50万キロメートルに及ぶ巨大な構造で、その輪郭が蝶が翅を広げたような形に見えることから話題になっている。コロナホールは太陽表面の磁力線が宇宙空間へ向けて開いた状態になっている領域で、通常より密度の低い高速の太陽風がそこから吹き出す。今回のコロナホールは太陽の自転にともなって地球正面に近い位置へ回り込んでおり、そこから放出された高速太陽風が9月14日ごろに地球へ到達すると予測されている。
米海洋大気庁(NOAA)の宇宙天気予報センターなどの予報によれば、地磁気環境はまず「活発」から小規模なG1レベルの嵐に達したのち、条件によっては中規模のG2レベルまで発達する可能性があるという。G2レベルの嵐が実際に発生した場合、カナダやアラスカ、北欧、英国北部といった高緯度地域に加え、米国ではニューヨーク州やウィスコンシン州、ワシントン州など、比較的緯度の低い地域でもオーロラが観測される可能性があるとされている。
今回のコロナホール由来の高速太陽風による地磁気擾乱は、9月上旬に太陽面の活動領域から放出された複数のコロナ質量放出(CME)による地磁気嵐とは異なる、別の要因によるものだ。専門家は、太陽風の到達時刻や地磁気嵐の規模には依然として不確実性が残るとしつつも、今週末にかけて夜空を見上げる価値のある機会になりそうだとしている。
出典: Space.com「Aurora alert! Butterfly-shaped ‘hole’ in sun’s atmosphere could spark geomagnetic storm Sept. 13-14」(2026年9月)