欧州宇宙機関(ESA)のソフィー・アデノ宇宙飛行士は現地時間2026年9月16日、記者団との電話会見で、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中に試験を続けてきた欧州製の新型宇宙服「EuroSuit(ユーロスーツ)」について、実用化に向けてなお多くの改良点が残っているとの見方を示した。同氏は「まだその歩みのごく初期段階にある」と述べ、開発が緒に就いたばかりであることを強調した。
EuroSuitは、フランス国立宇宙研究センター(CNES)が2023年12月に始動させたプロジェクトで、宇宙服開発企業スパルタン・スペース、宇宙医学・生理学研究所(MEDES)、さらにスポーツ用品大手デカトロンを含む企業連合が開発を進めている。船外活動(EVA)用ではなく、船内で着用する与圧服(IVA用)の試作機にあたり、2026年5月にスペースXがNASAの商業補給サービス(CRS)契約のもとで実施した34回目のミッションでISSへ運び込まれていた。
アデノ氏は5月29日、6月11日、7月20日の3回にわたってISS船内でEuroSuitの試作機を着用し、今回の会見はその一連の試験を締めくくるものとなった。試験の主な目的は、他の乗組員の助けを借りずに2分以内で着脱できるかどうかの確認で、あわせて着用したまま体をどれだけ自由に動かせるか、快適性や人間工学的な設計面についても評価が行われたという。
フランス出身のアデノ氏は、既存の米国製・ロシア製の宇宙服に依存してきた欧州が独自の与圧服技術を確立できるかを占う試みとして、この試験に大きな期待が寄せられてきた経緯にも言及した。今回得られたデータをもとに、開発チームは今後、可動域や装着時間のさらなる短縮に向けた設計変更を検討していく見通しだという。