米航空宇宙局(NASA)とボーイング(Boeing)は現地時間2026年9月28日、有人宇宙船「スターライナー(Starliner)」の開発状況に関する最新の計画を発表した。無人での試験飛行「スターライナー1」を早ければ2026年12月、遅くとも2027年1月に実施し、国際宇宙ステーション(ISS)とのランデブー・ドッキングを目指すという。
背景にあるのは、2024年6月のクルーフライトテスト(CFT)で相次いだ技術的トラブルだ。推進系統のヘリウム漏れやスラスターの停止が発生し、当初8日間の予定だった飛行士ブッチ・ウィルモア氏とスニ・ウィリアムズ氏の滞在は、結果的に9カ月以上に及ぶ事態となった。ウィルモア氏はその後、現役の宇宙飛行士を退くことを発表している。
今回の計画では、クルーモジュールの姿勢制御用スラスター12基すべてでバルブを交換するほか、サービスモジュールのスラスターについても、推進剤の流れを妨げていたとされる「ポペット」(弁の可動部品)のシール素材を見直す設計変更を実施する。NASAとボーイングは、こうした改修の効果を無人飛行でまず確認したうえで、有人飛行への移行を判断する方針だ。
無人試験飛行が成功した場合でも、飛行士を乗せた有人飛行の実施は2028年半ばごろを見込むという。あわせて、その指揮官には2023年のスペースXクルー6ミッションで186日間の宇宙滞在を経験したベテラン飛行士ウォーレン・”ウディ”・ホーバーグ氏が起用されることも発表された。
NASAは商業乗員輸送(CCtCap)プログラムにおいて、スペースXへの有人飛行発注を積み増してきた経緯があり、スターライナーの度重なる遅延はISSへの乗員輸送体制にも影響を及ぼしてきた。今回のロードマップは、退役を控えるISSへの安定した乗員輸送体制を維持しつつ、ボーイング機を計画通り実用化させたいNASAの意向を反映したものといえる。
出典: NASA「NASA, Boeing Share Update on Commercial Starliner Development Plans」(2026年9月28日)