ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、初期宇宙で起きた超新星とみられる天体を、爆発からわずか数日後に検出した。「AT 2026abck」と名づけられたこの天体は、赤方偏移(遠い天体ほど光が引き伸ばされて赤く見える現象の大きさ)が5.017の銀河にあり、非常に遠い宇宙で見つかった。
発見のきっかけは、JWSTが約2か月ごとに同じ天域を撮り直す観測プログラム「NEXUS」だ。2026年5月28日の画像にはこの位置に何も写っていなかったが、約71日後に等級27.4前後で現れ、特定のフィルターで明るさが3.6倍以上に増した。重力レンズなどによる増光を受けていない領域であり、見かけの明るさがそのまま天体の性質を反映している点が特徴だ。
観測データから、爆発の4〜10日後(天体自身の時間基準)に捉えたとみられる。表面温度は約1万7000ケルビン、半径は地球と太陽の距離の約46倍と見積もられている。近くの宇宙で見つかったII型超新星34例と比べても、温度と光度の両面でこの天体の方が高かった。
ただし、超新星と確定したわけではない。スペクトル(光を波長ごとに分けたデータ)は得られておらず、複数の波長帯での明るさから推定した結果だ。中心にある天体による恒星の潮汐破壊や、活動銀河核のフレアは位置関係から可能性が低いとされ、Ia型超新星とも整合しないという。一方で、明るさが上昇している段階の超高光度超新星の可能性は排除できておらず、確定にはJWSTの分光装置NIRSpecによる深い観測が必要になる。
JWSTはこれまでに、赤方偏移6付近までで200個以上の超新星候補を見つけている。しかし赤方偏移5を超えて分光で確認された超新星は、銀河団のレンズ効果で最大約30倍に増光された「SN Eos」の1例だけだ。レンズ増光のない領域で見つかった今回の天体は、初期宇宙の星の最期を調べる貴重な手がかりになりそうだ。研究は米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のMing-Yang Zhuang氏らが、論文として発表している。
出典: Phys.org「Webb spots possible early-universe supernova just days after it happened」(2026年10月14日)