NASAの火星探査車「パーサヴィアランス」が、地球以外の天体での累計走行距離の新記録を樹立した。NASAによると、2026年10月11日に走行距離計が28.10マイル(45.22キロメートル)に達し、これまで記録を持っていた探査車「オポチュニティ」の28.06マイル(45.16キロメートル)を超えた。
オポチュニティは2004年から2018年まで火星を走ったが、パーサヴィアランスは約5年半でこの距離を走破した。オポチュニティが記録を積み上げるのにほぼ15年かかったことを考えると、大きな進歩だ。当初のミッション計画では、走行距離は最大でも12.4マイル(約20キロメートル)とされていた。
この差を生んだ要因の一つが自律走行だ。パーサヴィアランスは、搭載した「AutoNav(オートナブ)」と呼ばれる自動航法システムで地形を判断し、走行距離全体の90%以上をこの方式でこなしている。これに対し、オポチュニティと双子の探査車スピリットが使った最初の火星向けAutoNavでは、自律走行は全体の約5%だったという。

パーサヴィアランスは、月面の記録も追い越している。1972年にアポロ17号のジーン・サーナンとハリソン・シュミット両宇宙飛行士が月面車で走った22.2マイル(35.7キロメートル)と、1973年にソ連の月面車ルノホート2号が走った24.2マイル(39キロメートル)を、いずれも超えた。
NASAは最近、パーサヴィアランスのミッションの初の延長を承認した。延長期間は10月に始まり、2028年末ごろまで、火星のクレーター縁の探査を続ける。ミッション関係者は、着陸したときより運転が上手くなったと語り、今後もさらに走行距離を伸ばす見通しだ。
出典: NASA/JPL「NASA's Perseverance Sets Off-World Record for Total Distance Driven」(2026年10月12日)