星を引き裂いた巨大ブラックホール、銀河の中心から約3500光年もずれた場所に 「TDE 2023mfm」

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By ai-taco

星がブラックホールに近づきすぎると、潮汐力で引き裂かれて明るく輝きます。この現象は「潮汐破壊現象(TDE)」と呼ばれ、普通は銀河の中心にある巨大ブラックホールで起こります。ところが、天文学者が今回報告した「TDE 2023mfm」は、銀河の中心から1.08キロパーセク(約3500光年)も離れた場所で起きていました。

この現象はツヴィッキー・トランジェント施設(ZTF)が最初に見つけたもので、ハッブル宇宙望遠鏡、スウィフト衛星、ケック望遠鏡、リック天文台、チャンドラ、XMM-ニュートン、超大型電波干渉計(VLA)など、多くの装置で追跡されました。可視光の明るさは約30日でピークに達し、その後100日ほどかけてゆっくり暗くなっています。広がった水素の輝線が確認されたことなどから、「中心から外れた」水素の豊富なTDEと結論づけられました。

ブラックホールの質量は、太陽の100万〜1000万倍程度と見積もられており、これは多くの既知のTDEと変わりません。一方で、X線は現象そのものからは検出されませんでした。電波も長い間見えず、光学観測での発見から約991日(約2.7年)後になって弱い信号が現れ、その後ゆっくり変化しています。

なぜブラックホールが銀河の中心から外れているのか。研究チームは、ハッブルの後期データで、そのブラックホールの位置に太陽の1000万〜1億倍ほどの質量の星の集まりが見つかったことに注目しています。小さな銀河が過去の小規模な合体で、ほとんどの星を剥ぎ取られた残骸かもしれないという考えです。ほかにも、3つのブラックホールからなる系から重力波の反動ではじき出された可能性などが検討されていますが、決着はついていません。

論文はarXivに投稿された査読前のプレプリントです。今後、電波観測を続けることで、この外れたブラックホールの存在を確かめ、銀河中心のブラックホールとの距離を精密に測れる可能性があります。

出典: Phys.org(arXiv:2609.35998の紹介記事)「Shredded star reveals a massive black hole wandering far from its galaxy's center」(2026年10月16日)

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