ライデン天文台のダミン・ヤン氏らは、ウェッブ宇宙望遠鏡とALMA望遠鏡を使って、宇宙の初期に存在した塵に覆われたクェーサー(銀河中心で明るく輝く、活発な超大質量ブラックホール)「J1440+0019」を詳しく調べ、その結果を発表しました。Phys.orgが伝えています。論文はプレプリントサーバーarXivに公開されています(arXiv:2610.13758)。
この天体の赤方偏移は6.5488で、宇宙が誕生してから10億年に満たない時代の姿です。もともとは、すばる望遠鏡を使った低光度クェーサー探査「SHELLQs」で見つかっていました。
ウェッブ望遠鏡の分光観測から、中心のブラックホールの質量は太陽の約11億倍と見積もられました。明るさの限界(エディントン光度)の約80%で輝いているといいます。また、3つの吸収成分が最大で秒速3600kmの速さで吹き出す風(アウトフロー)を示していました。
ALMAの観測では、母銀河に太陽約4億個分の塵があることが分かりました。電離した炭素が出す光([C II])は非常に明るく、赤方偏移6を超える天体としては最も明るい部類です。中心部の赤みの程度は、近くの宇宙の「中程度に赤い」クェーサーに似ていますが、塵の量は、強く赤く染まった天体に近いという、少し変わった性質を持ちます。
紫外線を使う従来の探し方では、塵で赤くなった天体は見つけにくく、赤方偏移6付近以上では、ほんの数個しか知られていません。研究チームは、今後ユークリッドやローマン宇宙望遠鏡の観測で、こうした天体の標本が充実すると期待しています。
出典: Phys.org「JWST and ALMA reveal a dusty, rapidly growing black hole in the early universe」(2026年10月26日)