
米Ciscoの企業向けネットワーク製品「Catalyst SD-WAN」の深刻な欠陥が攻撃者に悪用され、SD-WANネットワークを制御するシステムの内部に、特製のマルウェアが仕込まれていたことが明らかになりました。このセキュリティホール自体は2月にすでに修正されていましたが、その後も更新されていない環境が狙われた形です。
SD-WAN(ソフトウェアで定義された広域ネットワーク)とは、本社・支社・クラウドといった複数の拠点を、インターネット回線などを使って安全につなぐ仕組みです。拠点同士の通信は暗号化されており、その「鍵」を管理・制御する中枢が、今回攻撃を受けた部分にあたります。
問題のマルウェアは「KeyDrift」と呼ばれ、拠点間の通信を暗号化している鍵をコピーして保管するよう作られています。盗まれた鍵は後から使うことができるため、通信の盗み見や、正規の機器になりすました接続につながるおそれがあります。
今回のように、修正パッチが出てから時間がたった欠陥でも、更新が遅れている環境があれば攻撃の入り口になります。Catalyst SD-WANを利用している組織は、自社の環境にCiscoが公開した修正版が適用済みかを改めて確認することが大切です。すでに侵入されていた可能性がある場合は、パッチ適用だけでなく、暗号鍵の再発行や不審な設定変更の点検も検討する必要があります。個人の方が直接影響を受ける場面は少ないものの、勤務先のネットワーク担当者への確認が有効です。
出典: The Hacker News「Hackers Exploited Cisco SD-WAN Flaw to Plant Malware Built to Steal Encryption Keys」