米宇宙企業ブルーオリジンは、大型ロケット「ニューグレン」に追加する新しい第3段「GS3(グレン・ステージ3)」と、第1段用の新型エンジン「ノーススター」を開発していることを明らかにしました。米ケネディ宇宙センターで開かれた招待制のイベントで、デーブ・リンプ最高経営責任者(CEO)が発表したと、宇宙専門メディアのスペースフライト・ナウが伝えています。
GS3は、人工衛星を静止軌道(赤道上空約3万6000キロメートルの、地球の自転と同じ周期で回る軌道)へ直接送り込む任務や、地球の重力圏を離れる任務のための段です。エンジンには、同社の月着陸機「ブルームーン」と同じ「BE-7」を使います。同社によると、第1段のエンジンが9基・第2段が4基の「9×4」型にGS3を加えると、静止軌道へ最大14トン、月へ向かう軌道へ最大20トンを運べます。現行の「7×2」型では、それぞれ最大8トンと10トンです。2028年には、地球と月の間の宇宙へ向かう政府の任務が予定されているとしています。
GS3の液体水素タンクは、繊維強化プラスチックなどの複合材料製で、同社は「宇宙を飛ぶ初の複合材料製の液体水素タンク」になる見込みだとしています。テキサス州の施設では、想定される最大の運用圧力で2.5時間、その1.5倍の圧力で10分間、タンクに圧力をかける試験を行いました。
一方の新型エンジン「ノーススター」は、現在の第1段エンジン「BE-4」と同じく、液化天然ガスと液体酸素を燃料とします。推力は71万5000ポンド(約324トン)で、BE-4の64万ポンドを上回ります。開発の承認から試験の開始までわずか11か月で、1日かからずに組み立てられるといいます。導入時期は示されていません。
ニューグレンは5月下旬に発射台で爆発事故を起こしており、現在は飛行再開に向けて準備を進めています。関係者によると、飛行再開のミッションでは、引き続きBE-4が使われる予定です。
出典: Spaceflight Now「Blue Origin reveals new kick stage, engines for its New Glenn rockets」(2026年11月5日)