1980年代にNASAの探査機ボイジャー2号が天王星と海王星のそばを通過したとき、2つの惑星の磁場が、地球とはまったく違う、大きく乱れた形をしていることが分かりました。米テキサス大学オースティン校などの研究チームは、コンピューターシミュレーションによって、この謎の原因を説明する新しい考え方を示しました。研究は科学誌「コミュニケーションズ・フィジックス」に掲載されました。
地球の磁場は、北極と南極を結ぶ棒磁石のような形(双極子)で、自転の軸からの傾きは11度ほどです。ところが天王星では59度、海王星では47度も傾いており、形も複雑です。2つの惑星は「氷の巨大惑星」と呼ばれ、内部には水などの物質が大量にあると考えられています。
研究を率いたチー・ヤン研究員らは、惑星の奥深くの、非常に高い圧力と温度の下では、水の分子がばらばらになってイオン(電気を帯びた粒子)になり、深くなるほど電気を通しやすくなると仮定しました。そのうえで、さまざまな内部構造を想定し、内部の流体の動き、温度、磁場がどう変わっていくかを計算したところ、ボイジャー2号が観測したような変わった磁場を再現できました。
さらに計算では、磁場が数十年のうちに大きく変わりうることも示されました。時期によっては、磁場の傾きが数十年で数十度も変わることがある一方、ほとんど変わらない時期もあったといいます。地球の磁場の傾きは、50年でおよそ1度しか変わりません。つまり、今の天王星や海王星の磁場は、ボイジャー2号が見たときとは違う形になっている可能性があります。
チームは今後、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえたオーロラの画像や、ボイジャー2号の磁場データとシミュレーションを組み合わせ、現在の磁場の姿を推定する計画です。また、内部を本当に理解するには、氷の巨大惑星への新たな探査が必要だとしています。
出典: Phys.org(テキサス大学オースティン校)「Wacky magnetic fields of ice giants may stem from conductivity changes in their deep interiors」(2026年11月6日)