以下は、Space.com(著者:Andrew Jones、2025年11月1日公開)の記事
「China launches Shenzhou 21 astronauts to Tiangong space station for a 6-month stay」
の日本語まとめ記事です。
🚀 中国、神舟21号の宇宙飛行士3人を天宮宇宙ステーションへ ― 半年間の滞在開始、打ち上げ成功 天宮ステーションへ3人の宇宙飛行士を派遣
🛰️ 打ち上げとドッキング成功
2025年10月31日(金)午前11時44分(米東部時間)=北京時間午後11時44分、
中国の「神舟21号(Shenzhou 21)」宇宙船が、
ゴビ砂漠の酒泉衛星発射センターから長征2号Fロケットによって打ち上げられました。
発射から約3時間半後、神舟21号は天宮(Tiangong)宇宙ステーションの「天和」コアモジュール前方ポートに無事ドッキング。
自動高速ランデブー方式により、前回の神舟20号より約3時間短縮されました。
「再び祖国を代表して任務に臨めることに胸が高鳴っています。」
— 指令官 張陸(Zhang Lu)
👨🚀 乗組員プロフィール
| 名前 | 年齢 | 役割 | 経歴 |
|---|---|---|---|
| 張陸(Zhang Lu) | 48歳 | 指令官 | 神舟15号経験者・ベテラン飛行士 |
| 呉飛(Wu Fei) | 32歳 | 飛行士(最年少) | 中国空間技術研究院(CAST)のエンジニア出身 |
| 張宏章(Zhang Hongzhang) | 39歳 | ペイロードスペシャリスト | 中国科学院・大連化学物理研究所の研究員 |
張陸は2年ぶりの宇宙飛行で、呉と張宏章はともに2020年選抜の第3期宇宙飛行士として初飛行を果たします。
🤝 ステーション内での交代と任務
神舟21号の3人は、すでに天宮に滞在していた神舟20号クルー(陳冬・陳仲瑞・王傑)と合流。
陳冬は累計400日滞在を達成した中国初の宇宙飛行士となりましたが、
彼らは11月3日に地球へ帰還予定です。
神舟21号のクルーは約6か月間滞在し、
- 宇宙ステーションの保守・拡張作業
- 科学実験の遂行
- 宇宙環境下での生殖研究(黒マウス4匹を搭載)
などを実施します。
また、補給船「天舟10号(Tianzhou 10)」の到着もこの期間中に予定されています。
🔬 科学・技術的意義
神舟21号は6種類の実験サンプルを運搬し、
低軌道での生命科学・材料科学・再生環境実験を行います。
特に注目されているのは、哺乳類の宇宙環境での繁殖研究。
これは将来的な月・火星基地における生命維持技術にもつながる可能性があります。
🌕 次世代宇宙船「夢舟(Mengzhou)」の開発
中国は現在、**部分的に再利用可能な次世代有人宇宙船「夢舟(Mengzhou)」**を開発中。
夢舟は天宮だけでなく、月面有人飛行ミッションにも対応できる設計となる予定です。
🏗️ 天宮ステーションの現状と今後
- 中国の有人宇宙飛行は今回で16回目。
- 天宮への有人飛行は10回目(完成後7回目)。
- ステーションは国際宇宙ステーション(ISS)の約20%の質量。
- 2030年代までの常時有人運用を目指しており、
新たな実験モジュールや商業利用拡大も検討中。
中国は今後、天宮をアジア諸国との共同科学拠点として開放する計画も示しています。
🪐 中国、神舟21号の宇宙飛行士3人を天宮宇宙ステーションへ ― 半年間の滞在開始のまとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 打ち上げ日時 | 2025年10月31日 11:44(EDT)/23:44(北京時間) |
| 打ち上げ場所 | 酒泉衛星発射センター(ゴビ砂漠) |
| 使用ロケット | 長征2号F |
| 搭乗者 | 張陸・呉飛・張宏章 |
| 滞在期間 | 約6か月 |
| 搭載実験 | 6種サンプル+黒マウス4匹 |
| 補給船 | 天舟10号 |
| 今後の展望 | 天宮の長期運用・民間利用・月有人計画への発展 |