
セキュリティ企業TrendAIの研究者が、日本の組織を狙った3件のサイバー攻撃について詳細を公表しました。いずれの攻撃でも、人工知能(AI)が重要な役割を果たしていたといいます。AIが攻撃全体を主導していた例もあれば、人間の攻撃者を補助する形で使われていた例もありました。
調査の手がかりになったのは、攻撃者が使っていた3つのサーバー環境です。これらは外部から中身が見える状態で放置されており、TrendAIはその内容を分析することで、攻撃の進め方を把握しました。報じられた名称は「CyberStrikeAI」で、44体のAIエージェント(与えられた目的に向けて自分で手順を考え、作業を進めるプログラム)を組み合わせて、侵入の試行といった作業を自動化する仕組みだとされています。
これまで、セキュリティホール(ソフトウェアの欠陥)を探して突く作業は、高い技術を持つ人が時間をかけて行うものでした。AIがこれを肩代わりすると、攻撃の準備にかかる手間やコストが下がり、小規模な攻撃者でも多くの組織を試せるようになります。標的の数が増え、攻撃のペースも上がると見込まれます。
一般の企業や利用者にできる対策は、地道なものが中心です。インターネットに公開している機器やサービスを洗い出し、不要なものは閉じる。ソフトウェアの更新を後回しにしない。多要素認証を有効にする。AIによる自動化が進んでも、「古いまま放置された入口」が狙われやすい点は変わりません。