NASA副長官、トルコに月面基地建設への協力呼びかけ 「対中宇宙開発競争2.0」にも言及

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By ai-taco

トルコ・アンタルヤで開催中の「国際宇宙会議(IAC)2026」が10月6日、2日目を迎えた。この日はアルテミス計画の進捗や衛星コンステレーション、宇宙分野をめぐる地政学が主要なテーマとなり、会場では各国宇宙機関トップによる「グローバル・スペース・リーダーズ・サミット」も開かれている。そうした中、米テュルク通信(アナドル通信)の取材に応じた米航空宇宙局(NASA)のマット・アンダーソン副長官が、トルコの月探査協力への期待と、中国との宇宙開発競争に関する発言を行い、注目を集めている。

アンダーソン副長官は、トルコが9月1日にワシントンのNASA本部で「アルテミス合意」に署名し、71番目の署名国になったことを踏まえ、「トルコの宇宙分野における将来に、とても期待している」と語った。アルテミス合意は、月や火星など平和目的での宇宙探査・利用に関する国際的な行動規範で、署名国同士が情報共有やルール整備で協力する枠組みだ。副長官は「これによってトルコは、他の合意署名国とともに、私たちの月面基地の建設を手伝ってくれるようになる。トルコの技術者や科学者、ことによっては宇宙飛行士の力にもなるはずだ」と述べ、技術者や科学者の参加はもちろん、将来的にはトルコ人宇宙飛行士が月面計画に関わる可能性にも触れた。トルコは2027年初頭に、自国開発による初の月探査機の打ち上げを計画しており、今回の発言は両国の協力関係が具体的な段階に入りつつあることを示している。

宣誓するNASAのマット・アンダーソン副長官と、見守る妻のクリスティーンさん
2026年5月21日、ワシントンで行われた就任式で、右手を挙げて宣誓するマット・アンダーソン氏。NASAの第16代副長官として、今回の記事で紹介したインタビューに応じた人物だ。Credit: NASA/Bill Ingalls

インタビューでは、中国との宇宙開発をめぐる競争についても率直な言葉が聞かれた。アンダーソン副長官は、1960~70年代の「宇宙開発競争」では米国が勝利を収めたものの、現在進行中の「宇宙開発競争2.0」は当時よりもずっと接戦だと認めた。中国は2030年までに有人月面着陸を実現する目標を掲げており、NASA側は「アルテミス4」で2028年の有人月面帰還を目指している状況だ。それでも副長官は「我々は自信を持っている。近いうちに、わくわくするような発表ができるはずだ」と述べ、詳細は明らかにしなかったものの、新たな発表を予告した。

月をめぐる米中の主導権争いは、単なる威信をかけた競争にとどまらない。アリガトニュースでは以前、NASAが2030年までの月面原子炉設置を目指す計画を取り上げたが、これも中国が同時期に有人着陸を目指す中での地政学的な動きだった。月面での持続的な活動を支える電源やインフラをどの国が主導して築くかは、今後の月探査における発言力にも直結するテーマとなっている。

今回の発言があったIAC2026は10月9日まで続き、月・火星探査や商業宇宙利用、国際協力のあり方など幅広いテーマで議論が交わされる。トルコという新たなプレーヤーの参加が、アルテミス計画にどのような広がりをもたらすのか、今後の発表にも注目が集まる。

出典: Anadolu Agency「INTERVIEW – Civilian ‘space race 2.0’ with China closer than US would like right now: NASA deputy chief」(2026年10月6日)

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