北アイルランドのクイーンズ大学ベルファストを中心とする国際チームが、海王星の「トロヤ群小惑星」を新たに2個見つけ、さらに1個を候補として報告しました。ヴェラ・C・ルービン天文台が2025年に行った初期の試験観測のデータを解析した成果で、論文は米国の天文学誌『The Astrophysical Journal Letters』に掲載されています。
トロヤ群とは、惑星の公転軌道上で、惑星の前方や後方に集まって一緒に太陽を回っている小天体の群れのことです。1906年に木星で最初に見つかって以来、土星や天王星でも似た集団が見つかってきましたが、海王星の分は、ずっと見つけにくい状態が続いていました。
理由の一つは、位置です。報道によると、海王星の「後方の群れ(L5と呼ばれる領域)」は、約10年間、地球から見て天の川の中心部の、星が密集して明るい方向と重なっていました。背景の星の光に埋もれて、暗い小天体は探しにくかったのです。この群れがその領域から動き出したことで、観測しやすくなりました。
今回の2個は、いずれも、長い期間にわたって安定した軌道を保つ「長期安定」のトロヤ群の仲間と判断されました。研究チームは、これで、長期安定の軌道にある既知の天体の数が倍になったとしています。また、複数の波長帯での撮影から、前方の群れと後方の群れの天体は、表面の性質が似ていることが示されたということです。
チームを率いるメグ・シュワム博士は、これらの初期観測は「海王星の後方トロヤ群の、これまでで最も鮮明な眺め」になったと述べています。ルービン天文台は今後9年間、天空を繰り返し撮影する大規模サーベイ(LSST)を続けます。チームは、前方と後方の群れ合わせて、数十から数百個の海王星トロヤ群が見つかり、さらに、海王星の外側にある氷の天体も数万個規模で見つかると期待しています。
出典: Phys.org(Universe Today)「Queen's University Belfast students find Neptune's elusive Trojan asteroids」(2026年11月2日)