太陽フレアは、ねじれた磁力線がつなぎ変わる「磁気リコネクション」で起きる爆発です。フレアはX線の明るさでA・B・C・M・Xに分類され、1段階上がるごとにエネルギーが10倍になります。大きなものは電波障害やGPSの誤差、人工衛星の電子機器の故障、送電網への影響を引き起こしうるとされています。
フレアが始まる上層大気のコロナは直接観測が難しいため、研究チームは「フレアリボン」に注目しました。これは、高エネルギー粒子が磁力線に沿って下層の彩層に突入する場所に現れる明るい帯です。
米国立太陽観測所(NSO)のマリア・カザチェンコ氏と、筆頭著者のマルセル・コルチャド・アルベロ氏らは、リボンとその細部が時間とともにどう変わるかを数値化する手法を作り、模擬観測で検証したうえで、実際の観測に適用しました。対象は、2015年6月22日のM6.5クラスのフレアで、2013年に打ち上げられた太陽観測衛星IRISのデータです。
結果、エネルギーの注ぎ込み方は滑らかではなく、リボンはさまざまな大きさの断片に分かれ、エネルギーは断続的に届いていました。また、リコネクションの速さが増すほどリボンの複雑さも増していました。カザチェンコ氏は、リボンの境界の振る舞いを予測してきたシミュレーションを観測で定量的に確かめた初めての例だと説明しています。
著者らは、複数のスケールで複雑さが増す様子が、コロナにある電流シートの断片化を示す観測上の目印になりうると結論づけています。ただし、この研究だけでフレアを予測できるわけではなく、フレアのエネルギー放出の理解と、より良いモデルづくりに役立てる「第一歩」だとされています。論文は米天体物理学誌The Astrophysical Journalに掲載されました。
出典: Phys.org「How flare ribbons reveal hidden solar explosions on the sun」(2026年10月24日)