太陽はおよそ50億年先に膨らんで赤色巨星となり、やがて外層を放出して白色矮星(燃え尽きた星の高密度な残骸)になると考えられています。このとき太陽が大量の質量を失うと、惑星に及ぼす重力が弱まり、外側の惑星の軌道が変化します。
これまでのモデルでは、木星・土星・天王星・海王星といった外側の巨大惑星は、通りがかりの恒星に乱されるまで数十億年以上にわたって安定を保つと考えられてきました。しかしカリフォルニア工科大学のコンスタンチン・バティギン氏、ジム・フラー氏、ミシガン大学のフレッド・アダムス氏らの研究チームは、この見方に修正を迫る結果を示しました。
鍵となるのは、質量の失われ方です。従来の計算は太陽が質量をなめらかに失うと仮定してきましたが、研究チームは外層が「かたまり」ごとに断続的に放出される場合を想定し、放出の規模を変えた672通りのシナリオを計算しました。太陽の進化モデルと、4つの巨大惑星の軌道を追跡するプログラムを組み合わせ、各シナリオを30億年にわたって追っています。
その結果、放出の規模が大きいシナリオの大半で系は不安定になり、最大で96%が、太陽が白色矮星になってから30億年以内に不安定化しました。約40%では、質量放出が終わる前の段階で、すでに軌道の乱れや激しい散乱が起きています。惑星が太陽系から弾き出されたり、天王星と海王星の軌道が入れ替わったりする例もありました。
不安定化までの時間は、従来の極めて長い見積もりから、およそ10億年にまで縮まる可能性があるとされています。その頃には地球はおそらく存在していませんが、巨大惑星も無事とは限らないということになります。一方で、放出が穏やかな場合は惑星どうしが軌道の周期をそろえる「共鳴」状態になり、30億年安定を保つ例もありました。論文は『アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ』に掲載されています。
出典: Phys.org「The dying sun could tear the solar system apart sooner than thought」(2026年10月12日)