中国FAST望遠鏡、子持ち銀河M51近くに「星のない」水素ガス雲を発見

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By ai-taco

中国の巨大電波望遠鏡FAST(500メートル球面電波望遠鏡)を用いた観測により、りょうけん座の渦巻銀河M51「子持ち銀河(ホエールプール銀河)」の周辺に、ほとんど星を含まない中性水素ガスの雲が2つ発見された。研究チームはFASTによる銀河観測プロジェクト「FEASTS」のデータを用いて解析を行い、成果は学術誌「Astronomy & Astrophysics」に掲載された。

中性水素ガスは、波長21センチの電波(21cm線)を放つことで知られており、可視光ではとらえにくい希薄なガスの分布を探る手がかりになる。研究チームはFEASTSで観測した55個の銀河を対象に、周辺に星をほとんど伴わない水素ガス雲を探索したところ、条件に合致したのは「クラウドN」「クラウドS」と名付けられた2つの雲のみだった。いずれもM51の中心からおよそ70〜90キロパーセク(約23万〜29万光年)離れた位置にあり、それぞれ太陽質量のおよそ300万倍に相当する水素ガスを含んでいるという。

星をほとんど伴わないこの種の巨大ガス雲は、これまでにもごくわずかな例しか報告されておらず、非常に珍しい天体だとされる。M51は近くを回る伴銀河NGC 5195との重力相互作用で知られており、研究チームは今回見つかった水素ガス雲が、過去の銀河同士の接近によって引きはがされた潮汐ガスの残骸である可能性を指摘している。あるいは、星形成がほとんど進まなかった「暗黒銀河」的な天体の候補である可能性も検討されている。

研究チームは今後、他の銀河系近傍でも同様の手法を用いてこうした星のないガス雲を探索し、その起源や分布をより広く明らかにしていく方針だ。今回の発見は、電波観測でしか見えない銀河周辺の「見えない」物質分布を探る上で、FASTのような大型電波望遠鏡が果たす役割の大きさを改めて示す例といえる。

出典: phys.org「FAST finds two mysterious hydrogen clouds with no visible stars」(2026年9月)

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