「ブラックホールは宇宙膨張とともに成長」新理論、初期宇宙の”規格外”天体の謎に一石

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By ai-taco

カナダ・ビショップス大学のヴァレリオ・ファラオーニ氏と、イタリア・トレント大学のマッシミリアーノ・リナルディ氏という2人の理論物理学者が、ブラックホールは周囲の宇宙の膨張から切り離された孤立した存在ではなく、宇宙全体の膨張に合わせて自らも大きくなっていく可能性があるとする新たな理論研究を発表した。論文はプレプリントサーバー「arXiv」に2026年8月下旬に投稿されている。

従来、ブラックホールのような重力で強く束縛された天体は、宇宙全体が膨張していても、その影響を受けずに一定のサイズを保つと考えられてきた。しかし両氏は以前の研究で、静的なブラックホールの条件を現実の膨張する宇宙背景に合わせて単純に修正しようとすると、数学的に矛盾した「裸の特異点」が生じてしまい、理論として破綻することを示していた。

今回の研究では、この矛盾を解消するため、光さえも脱出できなくなる境界である「見かけの地平面」に着目し、その境界が宇宙膨張よりも速く広がるのか、遅く広がるのか、あるいは同じ速さで広がるのかを詳しく検証した。その結果、数学的にも物理的にも矛盾なく成り立つ唯一の解は、ブラックホールの地平面が最終的に宇宙膨張とまったく同じ速さで広がる「共動(コムービング)」状態に落ち着くケースだけだったという。

この理論が注目される背景には、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)をはじめとする近年の観測が、誕生からまだ日の浅い初期宇宙の銀河の中に、理論的な予測をはるかに超える質量を持つ超巨大ブラックホールを次々と発見してきたという事情がある。通常のガス降着だけでは到底説明できないこれらの「規格外」ブラックホールの急成長について、宇宙膨張そのものと結びついた成長メカニズムが働いていたとすれば、有力な説明の一つになり得るという。研究チームは今後、この理論が観測データとどこまで整合するのか、さらなる検証を重ねていく方針だという。

出典: Universe Today「Do Black Holes Grow Along With the Universe? A New Study Says Yes」(2026年9月)

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