月に「一世紀に一度」級の新クレーター、2024年の衝突がコロシアムより大きな痕跡に

Photo of author

By ai-taco

NASAの月周回探査機「ルナー・リコネッサンス・オービター(LRO)」の観測データから、2024年春ごろに形成されたとみられる新しいクレーターが見つかり、「マクゲッチン」の愛称で呼ばれていることが2026年9月中旬に明らかになった。直径はおよそ222メートル(730フィート)、深さは最大43メートル(141フィート)に達し、ローマの円形闘技場(コロッセオ)よりも大きい規模だという。太陽系でここ数年のうちに新たに刻まれたクレーターとしては最大級とみられている。

研究チームによれば、このクレーターは3〜6階建てのビルほどの大きさを持つ彗星または小惑星が月面に衝突したことで形成されたとみられる。もっとも、衝突が起きたと推定される2024年春の時点では見過ごされており、LROが撮影していた広角カメラの膨大な画像データの中からこの新しい痕跡が特定されたのは2025年8月になってからだった。月面全体を継続的に監視するLROの観測をもってしても、新たなクレーターの発見にはこれだけの時間差が生じることになる。

専門家は、これほどの規模の天体衝突が月面で起きる頻度について、およそ「一世紀に一度」かそれ以上に稀な現象だと推定している。大気を持たない月では、地球であれば大気圏突入時に燃え尽きてしまうような比較的小さな天体も、そのまま秒速数十キロメートルという高速で表面に衝突し、衝撃でクレーターを形成する。今回のマクゲッチンのような規模の衝突は、月面がいまだに活発な天体衝突にさらされ続けていることを改めて示す事例といえる。

月面のクレーター検出をめぐっては、NASAとIBMが先ごろ公開した月専用のAI基盤モデルがクレーター検出の精度向上を目指しているほか、スペースXのファルコン9ロケットの残骸が月面に衝突し新たなクレーターを形成する可能性も指摘されているなど、月面に新たに刻まれる衝突痕への関心が高まっている。今回のマクゲッチンのような自然天体による衝突も、今後こうしたAI解析技術によってより早期に、より高い精度で検出できるようになる可能性がある。

NASAは今後もLROによる月面の継続的な監視を続け、同様の新しい衝突痕がほかにも見つかっていないか、過去の画像データの再点検を進めていく方針だという。

出典: LROC (Lunar Reconnaissance Orbiter Camera)「New Impact Crater “McGetchin”」(2026年9月)

こちらの記事を次のSNSでシェア:

Leave a Comment