活動銀河核が星形成を後押し? 9銀河の観測で見えた共通パターン

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By ai-taco

米ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(CfA)の大学院生ペイシン・ジュー氏らの研究チームは2026年9月中旬、南米チリの欧州南天天文台(ESO)超大型望遠鏡(VLT)に搭載された面分光観測装置「MUSE」を用いて9個の近傍セイファート銀河(活動銀河核を持つ銀河)を観測した結果、中心の超大質量ブラックホールが活発に物質を飲み込んでいる銀河ほど、星形成を抑え込むどころか後押ししている可能性を示す共通パターンを発見したと発表した。成果は学術誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に掲載された。

研究チームによると、観測した9個の銀河すべてで、中心から0.8〜6キロパーセク(銀河の中心核ごく近傍)の範囲に、新たに星が生まれつつあるリング状またはアーク状の構造が確認された。あわせて、ブラックホールへ物質が落ち込む際に生じる電離ガスの円錐状領域(イオン化コーン)や、物質の噴出流が周囲のガスと衝突して生じる高速の「衝撃波」も、いずれの銀河でもコーンに対しほぼ垂直な向きに検出されたという。これほど多様な銀河で同じ構造パターンが繰り返し確認されたことは、活動銀河核による周囲への影響が偶然ではなく、普遍的な物理過程であることを示唆している。

これまでの標準的な理解では、活動銀河核が放つ強力な放射やガスの噴出は、周辺のガスを吹き飛ばしたり加熱したりすることで星形成の材料を奪い、むしろ星形成を抑制する「フィードバック」として働くと考えられてきた。しかし今回の観測結果は、ブラックホールが引き起こす噴出流と周囲のガスとの相互作用が、条件によってはガスを圧縮し、新たな星の誕生を促す方向にも働きうることを示すものだ。銀河中心のブラックホールをめぐっては、恒星サイズから超大質量まで質量が9桁も異なる天体が同じ法則でジェットを噴き出すことを示した先の研究もあり、ブラックホールの活動と銀河の進化を結びつける普遍的な法則の解明が近年相次いで進んでいる。

今回の発見は、ブラックホールの成長と母銀河における星形成が、一方的な破壊と抑制の関係ではなく、互いに影響を及ぼし合う共生的な関係にある可能性を示すものとして注目される。研究チームは今後、観測対象の銀河数をさらに増やし、ブラックホールの活動性や質量の違いによって、星形成を促す効果と抑制する効果のどちらが優勢になるのかを詳しく検証していく方針だという。

出典: phys.org「Active black holes reveal star-forming rings and shock waves in nine nearby galaxies」(2026年9月15日)

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