
中央アジアのタジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンの外交関連組織が、「BlackX(ブラックエックス)」と呼ばれる新型のマルウェアに狙われていたことが、セキュリティ研究者の調査で明らかになりました。攻撃は2026年の初めに確認されています。
BlackXは「UEFIブートキット」と呼ばれる種類のマルウェアです。UEFIとは、パソコンの電源を入れた直後、WindowsなどのOSよりも前に動くごく基本的なプログラム(ファームウェア)のこと。ブートキットはここに入り込むため、OSの中で動くセキュリティソフトからは見つけにくく、OSを入れ直しても残り続けることがあるのが厄介な点です。
さらに注目されるのが、「Secure Boot(セキュアブート)」を回避できる点です。Secure Bootは、起動時に信頼できるプログラムだけを動かすための、パソコンに備わった防御の仕組みです。報道によると、BlackXは「失効(リボケーション)」の対応が済んでいない、更新済みのWindowsにも通用するとされています。失効とは、過去に問題が見つかった古い起動プログラムを「もう信用しない」と登録しておく措置のことで、これが適用されていないと、古い部品が悪用される余地が残ります。
今回の標的は外交機関で、一般の個人がすぐに狙われる可能性は高くありません。ただ、同じ手口が広がることも考えられます。会社や組織でパソコンを管理している方は、WindowsのアップデートやSecure Bootの失効に関する更新が適用されているか、ファームウェア(BIOS/UEFI)のアップデートが出ていないかを確認しておくと安心です。「セキュリティホール」を放置しないための基本は、OSと機器の更新をこまめに適用することです。