NASAは、ガンマ線バーストの観測で知られるニール・ゲーレルス・スウィフト天文台が科学観測を終了したと発表しました。衛星の高度が地表から275キロメートル(171マイル)を下回り、大気抵抗が大きくなって、望遠鏡で天体を安定して見続けられなくなったためです。最後の観測は10月20日に行われ、衛星は今後数週間以内に大気圏へ再突入する見込みとされています。

スウィフトは2004年11月20日に打ち上げられ、同年12月に観測を始めました。2年の一次ミッションを想定して設計されましたが、その10倍以上の期間にわたって成果を出し続けました。2018年には、初代の主任研究者で亡くなったニール・ゲーレルス氏をたたえて、計画名が改められています。
これまでに観測したガンマ線バースト(宇宙で最も強力な爆発現象)は2000個以上、研究した超新星爆発は1400個以上にのぼります。ブラックホールに引き裂かれる星、活動銀河、小惑星や彗星などの研究にも使われ、データは約7000本の査読付き論文に貢献しました。
代表的な成果が、短いガンマ線バーストの残光の初検出です。2005年5月の「GRB 050509B」はわずか0.03秒しか続かないバーストでしたが、スウィフトは素早く向きを変えてX線光子を11個とらえました。これにより、短いバーストは中性子星どうしの合体で生じるという長年の理論が裏づけられました。
スウィフトの強みは、バーストを検出して位置を特定し、他の観測所に知らせ、残光が消える前に自らの望遠鏡を向けるまでを、通常約1分で行える素早さでした。1日に最大75個の対象を観測計画に組み込むことができ、地上から数分で指令を出して突発的な天体を追うこともできたといいます。
約22年分の観測データは、紫外線・光学望遠鏡による150万枚以上の画像を含め、公開データだけで約12テラバイトに達します。NASAは、既存の宇宙望遠鏡や新しい商用の高速打ち上げ能力などを活用し、スウィフト後の時代にも突発天体現象へ素早く対応する方法を探るとしています。
出典: NASA「NASA's Swift Mission Ends, Leaves Behind Scientific Bonanza」(2026年10月23日)