
カナダの研究機関Citizen Labは、イスラエル企業が政府向けに販売するスパイウェア「Candiru(カンディル)」が、報道機関アルジャジーラの端末への感染に使われていたと発表しました。注目すべきは侵入の手口で、通常のオンライン広告を経由して行われ、利用者が広告をクリックするなどの操作をする必要はなかったといいます。
報告によると、悪意あるコードは広告が画面に読み込まれた瞬間に動作しました。このように、利用者の操作なしに感染する攻撃を「ゼロクリック攻撃」と呼びます。怪しいリンクを踏まない、不審な添付ファイルを開かないといった、ふだんの注意だけでは防ぎにくいのが厄介な点です。
Candiruのようなスパイウェアは、ジャーナリストや人権活動家など特定の人物を狙って使われてきました。一般の利用者が標的になる可能性は高くありませんが、広告という身近な仕組みが侵入経路になりうることを示した点で、重要な事例です。
対策の基本は、OSとブラウザーを常に最新の状態に保つことです。狙われやすい立場の方は、端末を定期的に再起動する、OSの高度な保護機能(iPhoneの「ロックダウンモード」など)を検討する、といった対策も有効とされています。