Gaiaが見つけた”物静か”なブラックホール連星、近接軌道での生存に新たな説明

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By ai-taco

欧州宇宙機関(ESA)の位置天文衛星「ガイア(Gaia)」の観測データから発見された3個の「物静かな」恒星質量ブラックホール(BH1・BH2・BH3)をめぐり、その形成過程の謎に迫る新たな理論研究が発表された。これらのブラックホールは、周囲のガスを激しく飲み込むクエーサーのような活動的な天体とは異なり、質量の小さい伴星を重力でわずかに揺らす動きからガイアが間接的に検出した、これまで見つけることが難しかった「休眠状態」の天体だ。

3個のうち、Gaia BH3は伴星との軌道間隔が比較的広いのに対し、BH1とBH2は伴星がはるかに近い軌道を周回していることが分かっている。この近接軌道こそが長年の謎だった。巨大な恒星が死を迎えてブラックホールになる際には、星の外層が大きく膨張する段階を経るため、近くを回る伴星はこの膨張した恒星に飲み込まれ、合体してしまうはずだと考えられてきた。BH1やBH2の伴星が、なぜ合体を免れて生き延びたのかが説明できずにいた。

今回の研究では、この矛盾を解消する仕組みとして「非保存的な質量移動」と呼ばれる過程が提案された。通常のモデルでは、膨張した恒星から流出した物質の大部分が伴星に降り積もると仮定されるが、実際には物質の大半が系全体から直接逃げ出しているとすれば、運び去られる角運動量はわずかで済み、軌道が劇的に縮まることもない。この代替的な質量損失の経路を仮定すると、連星は破局的な合体を避けたまま進化し、最終的にBH1やBH2のような特徴を持つ系へと自然に行き着くという。

この結果は、これまで単純な比例関係で理解されてきたブラックホールと伴星の軌道進化について、標準的な恒星進化モデルだけでは説明しきれない多様な経路が存在することを示している。ガイアによる休眠ブラックホールの発見が相次ぐ中、今回の理論は観測されたBH1・BH2の特異な軌道を自然に再現できる数少ない説明の一つとして注目される。

研究チームは今後、シミュレーションのさらなる検証や、ガイアの追加データによって発見が見込まれる同様の休眠ブラックホール系との比較を通じて、この形成モデルの妥当性を検証していく方針だという。

出典: phys.org「Quiet black holes with a stellar companion raise questions about how they form」(2026年9月8日)

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