
Linuxカーネル(OSの中心部分)のTCP通信を扱うコードに深刻なセキュリティホールが見つかり、「CVE-2026-98432」として管理されています。Linuxカーネルの公式CVEチームは、深刻度を示す指標CVSSで10点満点中9.8という非常に高い評価を付けました。UbuntuやRed Hat Enterprise Linux(RHEL)をはじめ、複数のLinuxディストリビューションが影響を受けるとされています。
TCPは、Webの閲覧やメール、ファイルのやり取りなど、インターネット通信のほぼすべてで使われる基本的な仕組みです。そこに欠陥があると、特別な操作を必要とせず、ネットワーク経由で攻撃を試みられる可能性があるため、点数が最高クラスになっています。
今回注目されているのは、Anthropicが10月27日に、同社のAIモデルがこの欠陥を突く攻撃コード(エクスプロイト)を作成したと発表した点です。AIが脆弱性を見つけるだけでなく、実際に悪用できる形にまで仕上げられるようになってきたことを示す事例といえます。欠陥が公表されてから攻撃が現実になるまでの時間が、今後ますます短くなるおそれがあります。
対策の基本は、お使いのディストリビューションが配布する修正版カーネルを確認し、早めに更新することです。サーバーやクラウド上の仮想マシンでLinuxを使っている方は、提供元のセキュリティ情報を確認してください。カーネルの更新は再起動が必要になることが多いため、計画的に作業を進めましょう。個人でパソコンやNASなどにLinuxを使っている場合も、自動更新が有効かどうか確認しておくと安心です。