
Linuxの中核部分である「カーネル」に、深刻なセキュリティホールが見つかったと、セキュリティ専門メディアのThe Hacker Newsが報じました。問題があるのは「vhost」と呼ばれる仕組みで、仮想マシン(パソコンの中に作る仮想的なコンピューター)のデータのやり取りを高速化するために使われています。
報道によると、この欠陥を悪用すると、そのコンピューターにログインできる一般ユーザーが、カーネルのメモリを自由に読み書きできてしまいます。その結果、全権限を持つ「root(管理者)」になれる可能性があります。このような攻撃は「権限昇格」と呼ばれます。影響を受けるのは、およそ10年近くにわたる幅広いバージョンのカーネルだとされています。
さらに注意したいのが仮想化環境です。ある構成では、信頼できない仮想マシンの中の攻撃者が、仮想マシンを動かしている側(ホスト)のメモリに書き込み、仮想マシンを動かすプログラムそのものを乗っ取れるとされています。いわゆる「仮想マシンからの脱出」で、同じ物理サーバーを共有する他の利用者にも影響しかねません。
なお、この欠陥はAIによって見つかったとされています。AIが人間の目に触れにくい古いコードの不具合を掘り起こす例として、今後も同様の報告が増えそうです。
一般のパソコンやスマートフォンの利用者が直ちに困る話ではありませんが、Linuxサーバーや仮想化基盤、クラウド上の仮想マシンを運用している方は、利用中のディストリビューションから修正済みカーネルが配布されていないか確認し、提供され次第アップデートすることをおすすめします。また、信頼できない第三者にログイン権限や仮想マシンを貸し出す環境では、特に早めの対応が重要です。